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著作権-最高裁判所-

           

2020(R2).7.21 第三小法廷判決 H30(受)1412 「リツイート画像の自動トリミング」事件 | pdf

 原審が維持された(上告棄却)。写真を含むツイートをリツイートすると写真がトリミングされてサムネールとして表示される。このリツイート者は写真の著作者の著作者人格権(同一性保持権と氏名表示権)を侵害する。  

2012(H24).2.2 最高裁第1小法廷 H21(受)2056 ピンク・レディー上告審| pdf

 人の「パブリシティ権」を認めた最高裁判決であり、それを侵害する行為が不法行為と認められるための要件を示した事例。
 「人の氏名、肖像等(以下、併せて「肖像等」という。)は、個人の人格の象徴であるから、当該個人は、人格権に由来するものとして、これをみだりに利用されない権利を有すると解される。そして、肖像等は、商品の販売等を促進する顧客吸引力があり、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)は、肖像等それ自体の商業的価値に基づくものであるから、上記の人格権に由来する権利の一内容を構成するものということができる。」
と規定し、肖像等を無断で使用する行為が「パブリシティ権」を侵害し、不法行為法上違法となる場合として、
1.肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し,2.商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し,3.肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とする
という要件を示した。
 これを前提として、本件の事実関係からみて、ピンク・レディーの肖像写真に顧客吸引力は有するものの、本件行為は、専らピンク・レディーの肖像の有する顧客吸引力の利用を目的とするものとはいえず、違法とはいえないと判断した。
 金築裁判官の補足意見:「なお、原判決は、顧客吸引力の利用以外の目的がわずかでもあれば、『専ら』利用する目的ではないことになるという問題点を指摘しているが、例えば肖像写真と記事が同一出版物に掲載されている場合、写真の大きさ、取り扱われ方等と、記事の内容等を比較検討し、記事は添え物で独立した意義を認め難いようなものであったり、記事と関係なく写真が大きく扱われていたりする場合には、『専ら』といってよく、この文言を過度に厳密に解することは相当でないと考える。」
ピンクレディvs光文社事件控訴審(知財高裁平成20(ネ)10063)控訴棄却2009/8/29
ピンクレディが出版社の写真使用を訴えた事件の判決(東京地裁平成19(ワ)20986)2008/7/4
 

2011(H23).12.8 第一小法廷判決 H21(受)602 「北朝鮮映画著作権侵害」事件

 知財高裁の判決が維持された。最高裁は、(1)北朝鮮国民の著作物が日本の著作権法上保護される著作物には該当せず、(2)著作権法6条3号の著作物に該当しない著作物の利用行為につき、民法の不法行為を構成しないとして、不法行為も認めず、原告側の請求をすべて棄却した。  

2011(H23).1.20 第三小法廷判決 H21(受)788 「ロクラクⅡ」事件 | pdf

 知財高裁差戻判決。『複製の主体の判断に当たっては,複製の対象,方法,複製への関与の内容,程度等の諸要素を考慮して,誰が当該著作物の複製をしているといえるかを判断するのが相当であるところ,上記の場合,サービス提供者は,単に複製を容易にするための環境等を整備しているにとどまらず,その管理,支配下において,放送を受信して複製機器に対して放送番組等に係る情報を入力するという,複製機器を用いた放送番組等の複製の実現における枢要な行為をしており,複製時におけるサービス提供者の上記各行為がなければ,当該サービスの利用者が録画の指示をしても,放送番組等の複製をすることはおよそ不可能なのであり,サービス提供者を複製の主体というに十分であるからである。』と判示した。
 

2011(H23).1.18 第三小法廷判決 H21(受)653 「まねきTV」事件 | pdf

 判旨:「自動公衆送信は,公衆送信の一態様であり(同項9号の4),公衆送信は,送信の主体からみて公衆によって直接受信されることを目的とする送信をいう(同項7号の2)ところ,著作権法が送信可能化を規制の対象となる行為として規定した趣旨,目的は,公衆送信のうち,公衆からの求めに応じ自動的に行う送信(後に自動公衆送信として定義規定が置かれたもの)が既に規制の対象とされていた状況の下で,現に自動公衆送信が行われるに至る前の準備段階の行為を規制することにある。このことからすれば,公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置は,これがあらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合であっても,当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえるときは,自動公衆送信装置に当たるというべきである。」
 「そして,自動公衆送信が,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置の使用を前提としていることに鑑みると,その主体は,当該装置が受信者からの求めに応じ情報を自動的に送信することができる状態を作り出す行為を行う者と解するのが相当であり,当該装置が公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており,これに継続的に情報が入力されている場合には,当該装置に情報を入力する者が送信の主体であると解するのが相当である。」
 

2004(H16).2.13 第二小法廷判 H13(受)866、867 製作販売差止等請求

2007(H19).12.18 第三小法廷判 H19(受)1105 '53年公開映画「シェーン」著作権 | pdf

 上告棄却。S28年に団体の著作名義をもって公表された独創性を有する映画の著作物は,本件改正(H15年法律第85号,H16年1月1日から施行)による保護期間の延長措置の対象となるものではなく,その著作権はH15年12月31日の終了をもって存続期間が満了し消滅したというべきである。
 「この法律の施行の際」とは,当該法律の施行日を指すものと解するほかなく,「・・・の際」という文言が一定の時間的な広がりを含意させるために用いられることがあるからといって,当該法律の施行の直前の時点を含むものと解することはできない。
 

2004(H16).2.13 第二小法廷判 H13(受)866、867 製作販売差止等請求

 競走馬の名称を無断で利用したゲームソフトを製作,販売した業者に対し,その名称等が有する顧客吸引力などの経済的価値を独占的に支配する財産的権利(いわゆる物のパブリシティ権)の侵害を理由として当該ゲームソフトの製作,販売等の差止請求又は不法行為に基づく損害賠償請求をすることはできない。
 

2003(H15).4.11 第二小法廷判 H13(受)216 著作権使用差止請求 | pdf

 著作権法15条1項「法人等の業務に従事する者」の意義。(判時No.1822,p113)
cf.H12.11.09 東京高裁 平11(ネ)4341
重要判例解説 (最高裁判所調査官 長谷川 浩二 L&T No.11 2004/1 p.65-71)
 

2002(H14).4.25 第一小法廷判 H13(受)952 著作権侵害行為差止 | pdf

 家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物を公衆に譲渡する権利は,いったん適法に譲渡された複製物について消尽し,その効力は,当該複製物を公衆に提示することを目的としないで再譲渡する行為には及ばない。著作権法26条の2
cf.東京高判2001(H13).3.27 平11(ネ)3355
重要判例解説 (最高裁判所調査官 高部 眞規子 L&T No.18 2003/1 p.51-58)
 

2001(H13).6.28 第一小法廷判 H11(受)922 「江差追分」事件 | pdf

 言語の著作物の翻案とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現することにより、これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為をいう。
 

2001(H13).6.8 第二小法廷判 H12(オ)929、H12(受)780 円谷プロ事件 | pdf

 原判決破棄、第1審判決取消し。本件を東京地方裁判所に差し戻す。
 我が国に住所等を有しない被告に対し提起された不法行為に基づく損害賠償請求訴訟につき,民訴法の不法行為地の裁判籍の規定に依拠して我が国の裁判所の国際裁判管轄を肯定するためには,原則として,被告が我が国においてした行為により原告の法益について損害が生じたとの客観的事実関係が証明されれば足りる。
著作権確認等請求事件の国際裁判管轄(立命館大学 樋爪誠 L&T No.14 2002/1 p.50-54
重要判例解説 (最高裁判所調査官 高部 眞規子 L&T No.16 2002/7 p.72-78)
 

2001(H13).3.2 第二小法廷判 H12(受)222 「ナイトパブG7」上告審

 専ら音楽著作物を上映し又は演奏して公衆に直接見せ又は聞かせるために使用されるカラオケ装置につきリース業者がリース契約を締結して引き渡す場合の注意義務。無断演奏を行っているカラオケ店舗みにカラオケ装置を提供しているリース業者に対して共同不法行為責任を肯定(民法719条)
 物理的利用手段を提供する者の責任が問題となる類型
cf. 物理的な利用者の行為を人的に支配ないし管理する者の責任が問題となる類型→ 「クラブ・キャッツアイ上告審」, 2007.10.24大阪地判H17(ワ)488 選撮見録(よりどりみどり)事件,判時1911.65
重要判例解説 (最高裁判所調査官 高部 眞規子 L&T No.15 2002/4 p.69-76)
 

2001(H13).2.13 第三小法廷判決 H11(受)955 「ときめきメモリアル」事件 | pdf

 上告棄却。メモリーカードの使用がゲームソフトの著作者の有する同一性保持権を侵害するとされた事例。
重要判例解説 (最高裁判所調査官 高部 眞規子 L&T No.14 2002/1 p.59-63)

2000(H12).9.7 第一小法廷判決 H10(受)332 ゴナ印刷用書体事件 | pdf

 印刷用書体の著作物性否定。
『右事情の下においては、上告人書体が、前記の独創性及び美的特性を備えているということはできず、これが著作権法二条一項一号所定の著作物に当たるということはできない。また、このように独創性及び美的特性を備えていない上告人書体が、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約上保護されるべき「応用美術の著作物」であるということもできない。』
不法行為法によるタイプフェイスの保護(立命館大学 宮脇正晴 L&T No.22 2004/1 p.53-64)
 

1998(H10).7.17 第二小法廷判決 H6(オ)1082 雑誌「諸君!」事件

 焼身自殺をしたカップルは心中だったと書いているが、あれはベトナム政府の宗教政策に抗議した焼身自殺であるとして、著者が月刊誌と書評家を、「評論の中で著者の取材姿勢に対する批評が名誉毀損に当たる」として訴えた事件です。
 判旨:本件評論部分は、全体として見れば、本件著作部分の内容をほぼ正確に伝えており、一般読者に誤解を生じさせるものではないから、本件評論における本件著作部分の引用紹介が全体として正確性を欠くとまではいうことができず、その点で本件評論部分 に名誉毀損としての違法性があるということはできない。」
 

1997(H09).7.17 第一小法廷判決 H4(オ)1443 著作権侵害差止等(ポパイ事件) | pdf

 ① キャラクターの著作物性 ② 連載漫画において登場人物が最初に掲載された漫画の著作権の保護期間が満了した後に当該登場人物について著作権を主張することの可否
判旨:「一定の名称、容貌、役割等の特徴を有する登場人物が反復して描かれている一話完結形式の連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。」
 著作権の保護期間は、各著作物ごとにそれぞれ独立して進行するものではあるが、後続の漫画に登場する人物が、先行する漫画に登場する人物と同一と認められる限り、当該登場人物については、最初に掲載された漫画の著作権の保護期間によるべきものであって、その保護期間が満了して著作権が消滅した場合には、後続の漫画の著作権の保護期間がいまだ満了していないとしても、もはや著作権を主張することができないものといわざるを得ない。
 

1988(S63).3.15 第三小法廷判決 S59(オ)1204 クラブ・キャッツアイ上告審 | pdf

 「客やホステス等の歌唱が公衆たる他の客に直接聞かせることを目的とするものであること(著作権法22条)は明らかであり、客のみが歌唱する場合でも、客は、上告人らと無関係に歌唱しているわけではなく、
① 上告人らの従業員による歌唱の勧誘、上告人らの備え置いたカラオケテープの範囲内での選曲、上告人らの設置したカラオケ装置の従業員による操作を通じて、上告人らの管理のもとに歌唱しているものと解され、他方、
② 上告人らは、客の歌唱をも店の営業政策の一環として取り入れ、これを利用していわゆるカラオケスナツクとしての雰囲気を醸成し、かかる雰囲気を好む客の来集を図って営業上の利益を増大させることを意図していた
というべきであって、前記のような客による歌唱も、著作権法上の規律の観点からは上告人らによる歌唱と同視しうる」とした。
 ソフトウェアビジネス体系の変貌と権利行使の可能性に関する一考察(Patent 2006.4 Vol.59)
 検索サイトをめぐる著作権上の諸問題(田村善之, 知的財産法政策学研究17号)
  カラオケ法理:管理・支配要件+利益要件
 

1986(S61).5.30 第三小法廷判決 S58(オ)516 「パロディモンタージュ(差戻後2審)」事件

 破棄差戻。マッド・アマノ(デザイナー)と 白川義員(写真家)との間で争われた著作者権侵害事件の慰謝料請求及び名誉・信用回復請求権に関する差戻後上告審判決です。
 複製権を内容とする著作財産権と公表権、氏名表示権及び同一性保持権を内容とする著作者人格権とは、それぞれ保護法益を異にするので、同一の行為により著作財産権と著作者人格権とが侵害された場合であつても、両者の賠償を訴訟上併せて請求するときは、被侵害利益の相違に従い各慰謝料額をそれぞれ特定して請求すべきと判示した。
 また、最高裁判決を引用し、著作者の声望名誉には、人が自己自身の人格的価値について有する主観的な評価、すなわち名誉感情は含まれない(最高裁S43(オ)1357同45年12月18日第二小法廷判決)との規定し、あてはめた結果、上告人の被上告人に対する本件著作者人格権侵害行為により、被上告人の社会的声望名誉が毀損された事実が存しないのみならず、その事実を推認することもできないとした。
 田村 最高裁判所民事判例研究(民集40巻4号725頁)
 

1984(S59).1.20 第二小法廷判決 S58(オ)171 書籍所有権侵害禁止 | pdf

 美術の著作物の原作品の所有者でない者が、有体物としての原作品に対する所有者の排他的支配権能をおかすことなく原作品の無体物としての著作物の面を利用しても、原作品の所有権を侵害するものとはいえない。
 

1980(S55).3.28 最高裁第三小法廷 S51(オ)923 「パロディモンタージュ(第1次上告審)」事件

 引用とは,紹介,参照,論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録することをいうと解するのが相当であるから,右引用にあたるというためには,引用を含む著作物の表現形式上,引用して利用する側の著作物と,引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ,かつ,右両著作物の間に前者が主,後者が従の関係があると認められる場合でなければならないというべきであり,更に法18条3項の規定(現行法50条に相当)によれば,引用される側の著作物の著作者人格権を侵害するような態様でする引用は許されない。
 表現の自由と著作権―パロディモンタージュ表現物に関する憲法学的検討―西森菜津美(立命館法政論集 2008年第6号)
 「被控訴人は,著作権法32条1項における引用として適法とされるためには,利用する側が著作物であることが必要であると主張するが,「自己ノ著作物中ニ正当ノ範囲内ニ於テ節録引用スルコト」を要件としていた旧著作権法(明治32年法律第39号)30条1項2号とは異なり,現著作権法(昭和45年法律第48号)32条1項は,引用者が自己の著作物中で他人の著作物を引用した場合を要件として規定していないだけでなく,報道,批評,研究等の目的で他人の著作物を引用する場合において,正当な範囲内で利用されるものである限り,社会的に意義のあるものとして保護するのが現著作権法の趣旨でもあると解されることに照らすと,同法32条1項における引用として適法とされるためには,利用者が自己の著作物中で他人の著作物を利用した場合であることは要件でないと解されるべきものであって,本件各鑑定証書それ自体が著作物でないとしても,そのことから本件各鑑定証書に本件各コピーを添付してこれを利用したことが引用に当たるとした前記判断が妨げられるものではなく,被控訴人の主張を採用することはできない。」(知財高判2010(H22)・10・13 H22(ネ)10052
 

1978(S53).9.7 第一小法廷判 S50(オ)324 著作権不存在等確認及び著作権損害賠償 | pdf

 ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー上告審。著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいうと解すべきであるから、既存の著作物と同一性のある作品が作成されても、それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はないところ、既存の著作物に接する機会がなく、従って、その存在、内容を知らなかつた者は、これを知らなかったことにつき過失があると否とにかかわらず、既存の著作物に依拠した作品を再製するに由ないものであるから、既存の著作物と同一性のある作品を作成しても、これにより著作権侵害の責に任じなければならないものではない。
 
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