インドネシアにおける商標保護|newpon特許商標事務所

newpon特許商標事務所

  商標登録ならおまかせください

インドネシア(Republic of Indonesia)

 東南アジアの共和国国家であり、世界第4位の人口(約2億4千万人)を要する島国です。インドネシア新商標法が11月25日に発効されまた。マドリッド・プロトコル加盟に向けて関連の規定が追加され、加入書を世界知的所有権機関(WIPO)に2017年10月2日に寄託し、2018年1月2日に発効します。インドネシアの加盟により、マドプロの加盟国数は100に達します。他に、オンライン出願が可能になり、地理的表示保護規定が追加されました。
 商標調査には、ASEAN TMViewを使用できます。  タイは、マドプロの加入書を世界知的所有権機関(WIPO)に2017年8月7日に寄託し、11月7日に発効しました。インドネシアが10月2日に寄託し、2018年1月2日に発効します。両国の加盟により、マドプロの加盟国数は100に達します。

A. 商標登録出願(直接出願)

(1)願書の記載

 願書には、出願人の住所及び氏名(法人の場合は名称)をインドネシア語で表記する必要があります。

(2)商 標

 商品商標とは、当該商品を他の同種の商品から識別するために、個人により若しくは複数の者により共同でまたは法人により取り引きされる商品に使用される標章をいい、役務商標とは、当該役務を他の同種のものから識別するために、個人により若しくは複数の者により共同でまたは法人により取引される役務に使用される標章をいう。 (商標法1条2,3項)。
 商標定義が改正され、立体商標、音商標、ホログラム商標の保護が可能になりました。

(3)指定商品・役務

 ニース協定に基づく国際分類を採用しています。「一般的な商品の小売り」(retail services of goods)は役務(第35類)に、「通信回線(インターネット)を通じて販売されるコンピュータープログラム」は商品(第9類)に含まれます。
  移動できるものを除いて、通常の建物は商品に含まれない。不動産の売買であれば第35類、賃貸であれば第36類での役務の対象となります。
 第9類において、「appliedelectronic machines and apparatus(電子応用機械器具)」、「computers(電子計算機)」、「parts of computers(電子計算機の部品)」という記載は認められており、包括的表現は比較的広く認められています。
 なお、インドネシアでは国際分類(ニース分類)が採択されています。

(4)委任状

 商標出願については、認証(legalization)が必要とされているが、現地の郵便局で簡単に行うことができます。公証や領事認証は不要です。委任状への署名者は、代表取締役ではなく知的財産部長クラスで構いません。

(5)優先権証明書

 優先権証明書は、優先権を伴う出願期間満了の日から 3月(優先権主張日から9月)以内に提出しなければならなりません(法13条3項)。

(6)審査

 ■ 実体審査(substantive examination)

 識別力の有無、先行商標との類似性等について実体審査が行われています。商標の使用の有無は、審査の対象とはされていません。なお、更新時には、使用宣誓書が必要とされています。
 おおまかな手続きの流れは、出願→審査→公告→異議申立て→査定→登録です。
 先願主義が採用されていますが、「同種の商品・役務について、後願であっても先に商標登録された他の者が所有する商標の要部または全体と類似する場合には、拒絶される」(法6条1項(a))と規定されているため、「先登録主義」とも解される。
 権利不要求制度(ディスクレーマー、disclaimer)は存在しないが、審査官が職権で商標中の該当部分を削除することがあります。
 同意書制度(コンセント、consent)は、採用されていません。

 ■ 団体商標(collective trademarks)

 団体商標制度があります(法50条)。団体商標出願は、その商標が団体商標として使 用されることが、明確に表明されている場合に限り、受理されます。
出願時には、上記の使用する旨の確認の他に、構成員全員により署名された使用管理規程の写しも添付しなければならず、その使用管理規程には、① 製造および取り引きされる商品・役務の性質、特徴、品質、② 適正に使用されているかどうかの監視体制、③使用規則違反に対する制裁規定、が含まれていなければなりません。

 ■ 証明標章(certification trademarks)

 証明商標の制度は存在しません。

 ■ 連合標章

 連合標章制度は存在しません。

 ■ 拒絶理由通知

 審査官により登録要件が満たされないと判断されたときには、補正指令が出願人に通知されます。この通知の受領日から2か月以内に、意見書・補正書を提出することができます(法13条)。

(7)異議申立制度

 ■ 付与前異議申立

 旧法では実体審査後に公告されていましたが、新法では実体審査前に出願が公告され公告後に異議申立が可能です。公告期間経過後、実体審査が開始されます。
 知的財産総局により定期的に発行されている商標公報で公告されます。公告期間は3月であり、公告期間中、何人も知的財産総局に対して書面で異議申立てを行うことができます。期間内に異議の申立てがなく、他の拒絶理由が見つからないときは、登録査定になります。出願から公告までは約18か月です。
 異議申立てがあった場合、知的財産総局は、異議申立ての受理日から14日以内に、出願人に通知します。出願人は、異議申立書類の受領日から2月以内に書面で答弁を提出しなければなりません。異議や答弁があった場合、再審査され、2月以内に結論が出されます。  審査官が異議理由ありと判断した場合には、拒絶される旨が出願人に通知されます。出願人は審判請求を行うことができます。
 審査官が、異議理由なしと判断したときには、商標登録原簿(General Register of Marks)に登録されます。  

(8)審判制度

 ■ 拒絶査定に対する不服申立制度

 拒絶査定に不服があれば、拒絶査定通知日から3か月以内に、商標審判委員会(Mark Appeal Commission)に不服審判請求を行うことができる。審決は審判請求書の受理日から遅くとも3か月以内に下される。さらに、拒絶の審決に不服があれば審決受理の日から3 か月以内に商務裁判所(Commercial Court)に提訴し、さらにこの決定に不服の場合は、最高裁判所(Supreme Court)に上告できる。審判請求が認められた場合には公告される(法29~34条)。

 ■ 不使用取消制度

 継続して3年以上、商品・役務の取引に使用されていない場合、何人も不使用取消しを知的財産総局長に請求することができる(法63条)。なお、この取消しの請求は、知的財産総局長ではなく直接商務裁判所に対する訴訟の形態において請求することもできる(法63条)。 さらに知的財産総局長は職権によって不使用商標を取り消すことができる(法61条)。

 ■ 商標登録無効審判制度

 商標登録の無効は、直接各地域の商務裁判所に申し立てることができるが、登録日から遅くとも 5年以内でなければならない。商務裁判所の判決に不服があれば、最高裁判所に上告することができる。
在外者が申し立てるときには、ジャカルタ地域の商務裁判所に提訴しなければならない(法68~72条)。

(9)商標権の発生・存続期間

 一出願多区分が認められていますが(法8条1項)、実務上は一出願一区分でないと出願が受理されていないといわれています。
 商標権の存続期間は出願日から10年間です。10年毎に更新が可能です。更新期間は存続期間満了前6月以降です。また、追加料金納付により期間満了後も6月以内はグレース・ピリオドとして更新が可能です。  

(10)商標ライセンス登録手続

 商標使用権について登録によって第三者に対抗できます。
 必要書類、登録手続き、ライセンス登録の有効期間(5年)等の詳細については、インドネシアにおける知財ライセンス契約の登録に関する規則を参照ください。

B. マドプロ出願

 インドネシアは、マドリッド協定議定書(マドプロ)加盟国です。したがって、2018年1月以降、マドプロに基づく国際商標出願が可能です。(2文字コード:ID)
商標登録ならおまかせください

C. リンク

 ■ インドネシア知的財産庁(DGIP):Directive of Intellectual Property 
 ■ インドネシア商標検索サイト   :Indonasian Trademark Database
 ■ 特許庁サイト(日本語):  インドネシア商標法      商標法規則
商標登録ならおまかせください

  

 個人情報のお取扱いについてホームページ利用規約↑ ページトップに戻る← 前のページに戻る

 
 事務所名: NEWPON特許商標事務所  代表:弁理士 新池 義明(SHIN-IKE Yoshiaki)
 所在地: 〒211-0061 神奈川県川崎市中原区小杉町3-258-3 石橋ビル204
 TEL:044-299-6780  FAX:044-299-6787  email: info@newpon.com
 Copyright © Newpon IP Law Firm