シンガポールにおける商標保護|newpon特許商標事務所

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シンガポール(Republic of Singapore)

 TRIPS 協定の発効に対応した新商標法(Trade Marks Act、Chapter 332)が1998年12月に施行され、その後数回の改正を経て、2007年7月施行の改正法が運用されています。第54条については、マドリッド協定議定書(マドプロ)に加盟した2000年10月から発効しています。地理的表示法(Geographical Indications Act、Chapter 117B)が1999年1月に施行されています。

A. 商標登録出願(直接出願)

(1)願書の記載

 ■ 願書には、出願人の住所及び氏名(法人の場合は名称)を英語で表記する必要があります。出願人が法人の場合、登記簿謄本(コピー可)、個人の場合、パスポートの写しが必要です。
 ■ 一出願一商標が原則ですが、イギリスやインドと同様に、シリーズ商標(series of trade marks)制度が採用されています(商標法17条、商標規則17条)。    
注(1)  商標の要部が共通し、識別力のない部分のみが異なるものを一出願に含めることができるというもの。書体の違いや色違いをシリーズとして含めることができます。  

(2)商 標

 文字・記号をもって表現できる(represented graphically)視覚的に認識可能な(visually perceptible)標識(sign)であり、ある者が商取引の過程において取り扱う、又は提供する商品若しくは役務を、他の者が商取引で取り扱う、又は提供する商品若しくは役務から識別することができるものをいいます。
 このような標識(sign)には、文字、単語、名称、署名(signature)、数字、図形、ブランド、標示(heading)、ラベル、札、形状(shape)、色彩、包装(packaging)、又はこれらの組合せを含みます(商標法2条(1))。
 立体商標、単色、色の組合せ、ホログラム、動体標章が商標保護の対象となっていますが、音響、匂い、味は保護対象に加えられていません。     
注(2)  商標が英語でないときには英語の翻訳の記載が求められます。造語の場合には、その由来を記載します。色彩商標のときにはパントンコード(pantone code)及びその色を記載します。  

(3)指定商品(役務)

 ニース協定に基づく国際分類を採用しています。原則として、包括的に記載された商品・役務の表示は認められません(例:国際分類表のクラスヘディング(class headings)を表示したもの)。
 「retail services(小売り)」、「retail store services(小売店による販売)」については、「the bringing together, for the benefit of others, of a variety of goods(excluding the transport thereof), enabling customers to conveniently view and purchase those goods(他人のために各種商品を揃え(運搬を除く)、顧客がこれらの商品を眺め、購入するための便宜を提供すること)」という表現形式による記載が求められます。具体的な商品に限定されなければならず、包括的記載は認められません。
 「インターネット(Internet)」については、いくつかの国で商標登録されていますので、特に国際出願が予定されている商標については、「global communications network(地球的通信情報網)」と表現することが推奨されています。
 一出願多区分が認められていますが、出願後は区分毎に出願番号が付され、登録番号も区分毎に運用されていますので、ナショナルルート(直接出願)では、実質上の一出願多区分が実現されていないことになります。ただし、マドプロ出願では、一出願多区分のメリットを享受できます。

(4)証明商標制度(certification trademarks)

 証明商標とは、商取引の過程で取り扱われ、又は提供されている商品・役務であって、証明商標の登録権利者により、その出所、材料、商品の製造方法、役務の機能、品質、精度又はその他の特質に関して証明されるものを、そのような証明を受けていない商品・役務から識別するために使用される、又は使用の意図がある標識のことです(商標法61条)。
 通常商標と異なり、商取引においてその商品・役務の地理的出所を特定する標識や表示から構成されることが許されます。証明された商品・役務を取り扱う者の名義で登録されるのではなく、そのような証明能力を備えた者に対して登録されますので、検査・規格団体(regulatory bodies)のみが証明商標の出願を行うことができます。

(5)委任状

 提出する必要があります。公証人の認証は不要です。

(6)優先権証明書

 通常は、優先権証明書類の提出は求められません。優先権主張に関する宣誓書に記入し署名するだけです。

(7)審査

 ■ 実体審査(substantive examination)

 識別力の有無、先行商標との類似性等について実体審査が行われています。使用の有無については登録要件となっていません。
 いわゆるコンセント(consent)制度を導入していますので、先登録商標の商標権者の同意書があれば、原則として類似する商標の登録が認められます。
 権利不要求制度(disclaimer)が採用されています。審査官から、商標の一部を構成しているある単語について登録が認められないと指摘されたときには、登録を受ける条件として、権利不要求を行うことができます。

(8)異議申立

 ■ 付与前異議申立

 何人も、商標登録公告日から2か月以内に異議申立することができます(商標法13条)。期間内に異議の申立てがなく、他の拒絶理由が見つからないときは、登録査定になります。出願から公告までは約18月程度です。

(9)商標権の発生・存続期間

 一出願多区分が認められていますが、出願後は区分毎に出願番号が付され、登録番号も区分毎に運用されていますので、ナショナルルート(直接出願)では、実質上の一出願多区分が実現されていないことになります。ただし、マドプロ出願では、一出願多区分のメリットを享受できます。
 商標権の存続期間は登録日から10年間です。10年ごとに更新が可能です。更新手続は、原則として、存続期間満了前6か月以前に行う必要がありますが、6か月の猶予期間が認められます。
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B. マドプロ出願

 シンガポールは、マドリッド協定議定書(マドプロ)加盟国です。したがって、マドプロに基づく国際商標出願が可能です。(2文字コード:SG)

C. リンク

 ■ シンガポール知的財産庁 :http://www.ipos.gov.sg/ 
 ■ 商標検索サイト(IPOS) :http://www.ipos.gov.sg/eSearch
              < "商標検索マニュアル(IPOS) " >
 ■ 特許庁サイト(日本語):  シンガポール商標法  改正概要      
シンガポール商標規則  改正概要
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