英国における商標保護|newpon特許商標事務所

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 英国における商標権は、最も早く商標出願・登録した者に商標権が与えられる先願主義ですが、未登録商標の先使用については、コモンローに基づき詐称通用が適用されます。
 商標権の適用範囲は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド及びマン島に排他的権利が及びます。
  

英国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)

A. 商標登録出願(直接出願)

(1)願書の記載

 ■ 願書には、出願人の住所及び氏名(法人の場合は名称)を英語で表記する必要があります。
   住所と名称の表記はすべての出願で統一します。

 ■ 商 標

 視覚媒体により表現することができるすべての標識であって、ある事業の商品又はサービスを他の事業の商品又はサービスから識別することができるものをいいます(商標法1条(1))。
 特に、語(言語の構成単位の1つ、個人の名称を含む)、図案、文字、数字又は商品若しくはその包装の形状は商標として登録できます。
 立体、色彩、音、香り、又はそれらの結合も商標として登録できます。

 ■ 指定商品(役務)

 UKIPOから刊行されている商品及び役務の国際分類に関するニース協定に基づく分類一覧(国際分類第10版)に従い分類します(規則7)。1出願で複数分類にまたがる多分類出願が可能です(規則8)。
 指定商品及び指定役務の具体的な記載は類の「見出し」を使用してもよく、補正命令あるいは暫定的拒絶の通報の対象にはなりません。
「小売」、「卸売」に関する役務はニース協定の国際分類第10版の第35類に基づき指定できます。対象役務を特定しなければ拒絶の理由となります。

 ■ 団体商標

 団体の構成員の商品又は役務を、他の企業の商品又は役務から区別するために、当該商標を所有する団体により出願され、取引において商品又はサービスの原産地を指定するのに役立つ標識又は表示からなる団体標章は、商標法3条(1)(c)の絶対的拒絶理由にかかわらず登録することができます(法附則1第2項)。

 ■ 証明商標

 原産地、原材料、製造方法、若しくは提供方法、品質その他の特徴が商標の所有者によって証明されている商標であり、取引において商品又はサービスの原産地を指定するのに役立つ標識又は表示からなる証明標章は、商標法3条(1)(c)の絶対的拒絶理由にかかわらず登録することができます(法附則2第2項)。

(4)委任状(Power of Attorney)

 提出する必要があります。出願後でも認められます。公証人の認証は不要です。

(5)優先権証明書(Priority Document)

 優先権証明書類は出願の日から3か月以内に補完することができます。

(6)審 査

 ■ 実体審査(substantive examination)

 (1) 絶対的拒絶理由の有無と先行類似商標調査が実施されます。しかし、審査により抵触する先行商標を発見しても、拒絶理由は出さず、先行商標を示した審査レポートを出願人に送付します。   

 ■ 相対的拒絶理由の内容
   1)先行商標と同一、かつ、先行商標の商品又は役務と同一の商標
   2)同一又は類似の商品又は役務をカバーする先行商標と同一又は混同を生じるほど類似する商標
   3)出願日又は優先日の時点で、周知商標としてパリ条約又はWTO協定の保護を受ける資格を有する商標と同一又は混同を生じるほど類似する商標
   4)上記1)又は2)に該当する先行商標で、失効後1年を経過していない商標当該先行商標は、失効後1年以内であれば復活できる(法第6条)
   5)先使用されている商標。   

 (2) 出願人は、審査レポートへの応答期間(2か月)内に、指定商品(役務)の限定補正、引用商標と混同しない旨の主張、引用商標権者にコンセントを求める、又は出願を取り下げるなどの手段をとることができます。この応答機会は1回のみです。
 (3) 出願人の応答によっても依然、相対的拒絶理由が解消していないと審査官が判断した場合であっても、UKIPO(英国知財庁)は出願商標を異議申立のために公告します。一方、審査官は、出願人からの応答内容ににより、審査レポートにあげた先行商標の引用を撤回することができます。
 (4) 審査レポートは、引用商標がまだ登録されていない場合や正当な理由があるがある場合(コンセントが得られそうな場合など)には延長可能です。

 ■ 公告と先行商標の所有者への通知

 UKIPOは、出願商標の公告にあたり、先行商標の所有者のうち、(i)英国国内商標、(ii)英国を指定した国際登録商標の所有者に対して、出願商標が公告されることを自動的に通知します。他方、(iii)CTM商標、(iv)EUを指定した国際登録商標の所有者に対しては、これらの所有者が出願商標の公告受領通知受領を希望することを選択した場合(「opt in」という。)にのみ、公告の通知を行う。この通知により、先行商標の所有者は、出願商標に対する異議申立の機会が得られます。
 なお、「opt in」を希望する場合は、3年間分の費用納付と所定フォームの提出が必要です。

(7)異議申立

 ■ 付与前異議申立

 (1) 出願公告後3か月以内に異議申立をすることができます。
   先行商標の権利を行使できるのは、その先行商標の所有者のみです。ただし、書面によるライセンスを有する者は、その先行商標の所有者が起こしている異議申立に参加申請することができます。
 (2) 出願公告の時点で、登録から5年経過している先行商標に基づき異議申立を行う場合は、異議申立人は、先行商標をその期間内に使用してきたことを示さなければなりません。出願人は、その使用証明を求めることができます。
 (3) 同一若しくは類似する先行商標権若しくは先行商標出願の所有者が、これらの先行商標を用いて相対的拒絶理由に基づく異議申立を請求した場合、UKIPOは異議申立に係る相対的拒絶理由を審査します。そして、拒絶理由ありと判断した場合、異議申立に基づく暫定的拒絶の通報を通知します。
 (4) クーリングオフ
   異議申立通知を受領した日から2か月以内に、両当事者はクーリングオフ期間の設定を請求できます。この期間設定により、異議申立・答弁書提出期間が異議申立通知日から9か月まで延長されます。この期間中に両当事者は異議申立に関する交渉を行うことができるますが、交渉が決裂した場合には一方の当事者がこの期間を早期に終了させることができます。また、名義人が期間内に答弁書を提出した場合にはこの期間は終了します。異議申立人がこの期間を終了させた場合には、名義人は終了日から1か月以内に答弁書を提出しなければなりません。
 (5) 決定
   異議申立が取り下げられ若しくは不成立であった時は、UKIPOは、認容されている国際登録商標の保護付与を決定します。
   異議申立に係る拒絶理由が認められ、異議成立の決定が確定すると、権利化への手続は上訴のみとなります。上訴は、異議決定日から28日以内に高等法院に請求します。

(8)登 録

 出願公告された後に何人からも異議申立がされなかった場合や、異議申立がされた場合でもその申立が取り下げられたり、異議申立が不成立の場合には、出願商標は登録されます。
 商標権の存続期間は、登録日から10年間です。

(9)更 新

 商標の登録は、10年ごとに何度でも更新することができます。
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B. マドプロ出願

 マドリッド協定議定書(マドプロ)の加盟国です(2012年7月25日発行)。したがって、マドプロに基づく国際商標出願が可能です。(2文字コード:GB)

 ■ 色彩商標

 願書「8 色彩に係る主張」(a)及び(b)項は任意記載項目であり、英国においては要求されていません。

 ■ 標準文字制度

 標準文字の適用を受けることができます。UKIPOは実体審査において標準文字の宣言がなされた標章を文字標章として扱い、特定の書体に制限されません。標準文字制度の利用を希望する場合には、願書「7 標章」欄(c)項にチェックを付す必要があります。

 ■ 審 査

 領域指定通知を受けたUKIPOは、当該国際登録の実体審査を実施します。この審査において、絶対的拒絶理由に関する審査と、国内商標、欧州連合商標(EUTM)、英国又は欧州連合を指定する国際登録についての先行類似商標調査を実施しますが、先行類似商標との関係(Relative Grounds, 相対的拒絶理由)に基づく拒絶は実施しません(商標法37条)。

 (1) 先行類似商標調査

 相対的拒絶理由の調査結果は名義人に報告されます。この報告は、暫定的拒絶の通報が出されるときは、拒絶理由と共に通報中に記載されます。実体審査の段階で、この調査報告のみあるときは、UKIPOはWIPOに登録されている代理人若しくは、代理人を登録していない場合には名義人に対して当該調査報告を通知します。
 この調査報告に対して、名義人は以下の対応を選択できます。
  (a)国際登録の維持
  (b)商品及び役務の減縮
  (c)国際登録の放棄又は取下げ
  名義人は暫定的拒絶の通報の応答期限(2か月以内)に応答しなければなりません。応答をしなかった場合、名義人が(a)を選択したと判断し、拒絶理由が解消されていれば、保護付与が認容され、公告されます。この応答はUKIPOに対して行われますが、(b)、(c)については国際事務局に様式MM6を使用して行うと共にUKIPOにも通知します。
 さらに、先行商標の所有者には、この国際登録の公告予定日を通知します。この通知は、先行商標が英国国内商標及び英国を指定する国際登録の場合、自動的に通知されますが、CTM又は英国以外のEU加盟国を指定する国際登録の場合は、「通知の選択」(opt-in)の手続を予め行った者にのみ通知されます。これにより、通知を受けた先行商標の所有者は当該国際登録が公告された段階で、相対的拒絶理由に基づく異議申立をすることができます。

 (2) 暫定的拒絶の通報

 一方、国際登録が絶対的拒絶理由を有する場合、国際事務局に対して暫定的拒絶の通報が送付されます。この通報を受領した国際事務局は当該通報を国際登録簿に記録すると共に名義人に送付します(マドプロ共通規則17)。UKIPOは、領域指定通知日から18か月以内にこの通報を国際事務局に通知しなければなりません(マドプロ5条(2)(b))。
 暫定的拒絶の通報に対して、名義人は、通報発送日から2か月以内に、次の応答ができます。
  (a)拒絶理由に対する反論
  (b)応答期間の延長願い
  (c)英国における商標の実施を示す証拠の提出
  (d)ヒアリング請求
 暫定的拒絶の通報に対する応答の結果、拒絶理由が解消されたときは、保護付与が認容されます。
 暫定的拒絶の通報に対する応答がなかった場合又は応答にもかかわらず保護の付与の認容ができなかった場合、UKIPOは権利保護付与の拒絶の通知を名義人に送付します。
 名義人は、この拒絶通知に対して、通知の日から1か月以内に不服審判請求を高等法院(裁判所)提出することができます(法76条)。   

 不服審判の請求がなされなかった場合又は不成立と決定された場合には、国際登録の拒絶が確定し、当該確定は国際事務局に通知されます。国際事務局は、拒絶確定を国際登録簿に記録すると共に国際公報にて公開します。また、国際事務局を通じて名義人に対し当該拒絶確定通知が送付されます。不服審判請求が成立となった場合には、保護付与が認容されます。   

 (3) 保護付与の認容

 審査の結果絶対的拒絶理由が発見されなかった国際登録、及び上記(2)により保護付与が認容された国際登録は、その認容が英国商標公報に公告されます(法38条(1))。
 異議申立期間は、公告日から2か月間(最長3か月の期間延長あり)です。この期間内に、先行商標の所有者が異議申立を請求した場合には、当該先行商標との類否について審査され、当該先行商標に類似すると判断されれば、拒絶されます(規則19)。
 この期間内に異議申立がなく、又は異議申立が取り下げられ若しくは不成立であったときは、国際登録商標の保護付与を決定し、当該決定の通知が国際事務局に送付されます。国際事務局は、英国における保護付与の決定を国際登録簿に登録するとともに国際公報にて公開し、併せて名義人に、その決定通知を送付します。

C. リンク

  

 ■ 英国知的財産庁(UKIPO) :https://www.gov.uk/government/organisations/intellectual-property-office
 ■ 商標検索サイト  : GOV.UK Search for a trade mark
 ■ 特許庁サイト(日本語):  英国商標法  改正概要
      英国商標規則
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