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著作権-パブリシティ権-

   

2009(H21).8.27 知財高裁 H20(ネ)10063 ピンク・レディー控訴事件 | pdf

 パブリシティ権の法的性格が人格権であることを明確に判断。結論において本件における肖像の使用は注意喚起に過ぎないとして、パブリシティ権侵害は否定した事例。最高裁平成21(受)2056・平成24年2月2日小判決<上告棄却>
 芸能人やスポーツ選手等の著名人も,人格権に基づき,正当な理由なく,その氏名・肖像を第三者に使用されない権利を有するということができるが,著名人については,その氏名・肖像を,商品の広告に使用し,商品に付し,更に肖像自体を商品化するなどした場合には,著名人が社会的に著名な存在であって,また,あこがれの対象となっていることなどによる顧客吸引力を有することから,当該商品の売上げに結び付くなど,経済的利益・価値を生み出すことになるところ,このような経済的利益・価値もまた,人格権に由来する権利として,当該著名人が排他的に支配する権利(以下,この意味での権利を「パブリシティ権」という。)であるということができる。
 本件記事にピンク・レディーの氏名・肖像が登場したことによって購買意欲を高められ,本件雑誌を購入した者が仮にいたとしても,上記のとおり,本件記事の主題は,ピンク・レディーの楽曲の振り付けで踊ることによってダイエットをすることを紹介して勧める記事ということができ,本件記事における本件写真の使用をもって違法性があるということはできない。(東地判H20.7.4, 判時2060 p117)
牛木理一,「ピンク・レディー」上告審・パブリシティ権侵害差止等請求事件
 

2008(H20).2.25 知財高裁 H18(ネ)10072 プロ野球選手控訴事件 | pdf

 パブリシティ権の法的性格を人格権と解し、権利主体を「著名人」ではなく「人」と判断した事例。
 人は,生命・身体・名誉のほか,承諾なしに自らの氏名や肖像を撮影されたり使用されたりしない人格的利益ないし人格権を固有に有すると解されるが,氏名や肖像については,自己と第三者との契約により,自己の氏名や肖像を広告宣伝に利用することを許諾することにより対価を得る権利(いわゆるパブリシティ権。以下「肖像権」ということがある。)として処分することも許されると解される。(東地判H18.8.1 判時1957 p116 最決定H22.6.15)
第1回エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク研究会 パブリシティ権の保護のあり方(弁護士 横山経通)
 

2008(H20).2.25 東京高裁 ブブカスペシャル7事件 | pdf

 第1審と同じくプライバシー権侵害を肯定した。
 パブリシティ権侵害については、「出版物であるとの一事をもって、表現の自由による保護が優先し、パブリシティ権の権利侵害が生じないと解するのは相当ではなく、当該出版物の販売と表現の自由の保障の関係を顧慮しながら、当該著名な芸能人の名声、社会的評価、知名度等、そしてその肖像等が出版物の販売、促進のために用いられたか否か、その肖像等の利用が無断の商業的利用に該当するかどうかを検討することによりパブリシティ権侵害の不法行為の成否を判断するのが相当である。」と判示した。(東地判H16・7・14 H14(ワ)27427 判タ1214.p91)
 上告棄却決定。最高裁として初めてパブリシティ権を認めた。
 

2000(H12).2.29 東京地裁 H10(ワ)5887 中田英寿事件| pdf

 パブリシティ権を経済的利益として差止め等に理解を示しつつ、表現の自由との調整が必要とした事例。
 いわゆるパブリシティの権利に関しては、次のとおりに解することができる。
 固有の名声、社会的評価、知名度等を獲得した著名人の氏名、肖像等を商品に付した場合には、当該商品の販売促進に有益な効果がもたらすことがあることは、一般によく知られているところである。そして、著名人の氏名、肖像等が持つ顧客吸引力について、これを当該著名人の獲得した名声、社会的評価、知名度等から生ずる独立した経済的利益ないし価値として把握し、当該著名人は、かかる顧客吸引力の持つ経済的価値を排他的に支配する財産的権利(いわゆる「パブリシティ権」)を有するものと解して、右財産権に基づき、当該著名人の氏名、肖像等を使用する第三者に対して、使用の差止め及び損害賠償を請求できるという見解が存在する
しかしながら、・・・、仮に、著名人の顧客吸引力の持つ経済的価値を、いわゆるパブリシティ権として法的保護の対象とする見解を採用し得るとしても、著名人がパブリシティ権の名の下に自己に対するマスメディア等の批判を拒絶することが許されない場合があるというべきである。
 したがって、仮に、法的保護の対象としてもパブリシティ権の存在を認め得るとしても、他人の氏名、肖像等の使用がパブリシティ権の侵害として不法行為を構成するか否かは、具体的な事案において、他人の氏名、肖像等を使用する目的、方法及び態様を全体的かつ客観的に考察して、右使用が他人の氏名、肖像等の持つ顧客吸引力に着目し、専らその利用を目的とするものであるかどうかにより判断すべきものというべきである。(判時1715.p76)  

1999(H11).2.24 東京高裁 H10(ネ)673 キング・クリムゾン事件控訴審

 パブリシティ権が独立した経済権であると判断した。
 著名人の氏名、肖像等が持つ経済的利益ないし価値は著名人自身の名声、社会的評価、知名度等から派生するものということができるから、著名人がこの経済的利益ないし価値を自己に帰属する固有の利益ないし権利として考え、他人の不当な使用を排除する排他的な支配権を主張することは正当な欲求であり、このような経済的利益ないし価値は、現行法上これを権利として認める規定は存しないものの、財産的な利益ないし権利として保護されるべきものであると考えられる。このように著名人がその氏名、肖像その他の顧客吸引力のある個人識別情報の有する経済的利益ないし価値(以下「パブリシティ価値」という。)を排他的に支配する権利がいわゆるパブリシティ権と称されるものである。(原審・東京地判H8(ワ)11327:判時No.1644,p140)
 

1992(H4).6.4 横浜地裁 詩人土井晩翠事件

 著名な詩人である「土井晩翠」の相続人が、「晩翠」「晩翠草堂」「晩翠通」「晩翠草堂前」の表示のある標識等を設置した仙台市に対して、その相続人又は晩翠のパブリシティの権利を侵害するとして、侵害行為の差止及び損害賠償請求をした事件。
 「パブリシティの権利とは、歌手、タレント等の芸能人が、その氏名、肖像から生ずる顧客吸引力のもつ経済的利益ないし価値に対して有する排他的財産権である」と定義し、パブリシティ権の主体を「歌手、タレント等の芸能人」とした。そして、
 「詩人は、一般に詩作や外国の文学作品を翻訳するといった創作的活動に従事し、その結果生み出された芸術作品について、社会的評価や名声を得、また印税等として収入を得る反面、氏名や肖像の持つ顧客吸引力そのものをコントロールすることによって経済的利益を得ることを目的に活動するものではなく、また、その氏名や肖像が直ちに顧客吸引力を有するわけではない。」としてパブリシティの権利が発生するとは認められないとした。 (判時1434.116)  

1991(H3).9.26 東京高裁 H2(ネ)4794 おニャン子クラブ事件| pdf

 芸能人の有するパブリシティ権を認めた初の高裁判決。
 固有の名声、社会的評価、知名度等を獲得した芸能人の氏名・肖像を商品に付した場合には、当該商品の販売促進に効果をもたらすことがあることは、公知のところである。そして、芸能人の氏名・肖像がもつかかる顧客吸引力は、当該芸能人の獲得した名声、社会的評価、知名度等から生ずる独立した経済的な利益ないし価値として把握することが可能であるから、これが当該芸能人に固有のものとして帰属することは当然のことというべきであり、当該芸能人は、かかる顧客吸引力のもつ経済的な利益ないし価値を排他的に支配する財産的権利を有するものと認めるのが相当である。(判時No.1400,p3)
肖像権に関する代表的判例(日本音楽事業者協会)  

1989(H1).9.27 東京地裁 光GENJI事件

 裁判所が初めて「パブリシティ権」という名称を使用した事例。
 「パブリシティ権の権利主体は、氏名・肖像の有する独立した財産的価値を積極的に活用するため、自己の氏名・肖像につき、第三者に対し、対価を得て情報伝達手段に使用することを許諾する権利を有する」(判時No.1326,p137)  

1976(S51).6.29 東京地裁 S46(ワ)9609 マーク・レスター事件 | 過去の判例・事例

 映画の主演者が、主演者に無断でその映画中の「肖像」を「テレビコマーシャル」に提供した映画の上映権・宣伝権を有する会社に対して、主演者の肖像・氏名についての利益を侵害したとして、損害賠償請求をした事件。
 俳優等は、自らかち得た名声の故に、自己の氏名や肖像を対価を得て第三者に専属的に利用させうる利益を有しているのである。ここでは、氏名や肖像が、(一)で述べたような人格的利益とは異質の、独立した経済的利益を有することになり(右利益は、当然に不法行為法によって保護されるべき利益である。)、俳優等は、その氏名や肖像の権限なき使用によって精神的苦痛を被らない場合でも、右経済的利益の侵害を理由として法的救済を受けられる場合が多いといわなければならない。(判時No.817,p23)
肖像権に関する代表的判例(日本音楽事業者協会)日本で最初に芸能人の氏名や肖像の商業的な利用について法的な保護を認められた事例
パブリシティ権に関する一考察(1)(「東京情報大学研究論集」5巻2号2002年2月)
パブリシティ権に関する一考察(2)(「東京情報大学研究論集」6巻1号2002年7月)  

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