カナダにおける商標保護|newpon特許商標事務所

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カナダ(Canada)

 カナダはロシアに次いで2番目に大きな国土を有します。2019年6月17日、このカナダの改正商標法が施行されました。従来からパリ条約(Paris Convention for the Protection of Industrial Property)及び、TRIPS(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)の加盟国でしたが、マドリッド・プロトコル(Madrid Protocol)、ニース協定(Nice Agreement)及び、TLT(商標の法律に関するシンガポール条約)Singapore Treaty on the Law of Trademarks)に調印し、2019年6月17日に有効になりました。

【改正商標法】

 その概要は次のとおりです。

 1 新しいタイプの商標の保護
 2 ニース国際分類適用、1出願多区分制度採用
 3 出願から3年以内の提出が必要だった使用宣言書の提出不要
 4 存続期間が15年から10年に短縮(他国との調和)
 5 分割出願制度の導入
 6 連合商標の制度が廃止され、分離移転が可能に。

A. 商標登録出願(直接出願)

(1)願書の記載

 願書には、出願人の住所及び氏名(法人の場合は名称)を英語で表記する必要があります。住所と名称の表記はすべての出願で統一します。
 ベース(基礎出願・登録)は不要となり、商標の使用開始日の記載や本国における出願・登録の情報、本国登録証の提出も必要ありません。

(2)商 標

 出所の表示として機能するあらゆるものを保護することが可能となり、日本でも認められている「音」、「色彩」、「動き」、「ホログラム」、「位置」の他に、「香り」や「味」や「触覚(テクスチャ)」についての商標も認められます。

(3)指定商品・指定役務

  ニース国際分類が採用され、区分に従って商品・役務を記載することが必須となりました。それにともない、料金制度も大幅に変更されています。出願料及び更新料が、区分数に応じて算出されます。1商標登録出願に多区分の商品(役務)を指定することができます。

(4)出 願

 ■ 次の4種類の出願基礎がありましたが、これらが廃止されました。
  ① カナダにおける使用(Prior Use in Canada)
  ② 外国使用・登録(Use and Registered Abroad)
  ③ カナダにおける使用意思(Proposed Use in Canada)
  ④ カナダにおける周知商標(Well-Known Trade Mark in Canada   
 ■ ベース(基礎出願・登録)不要
 ■ 使用宣誓書提出の撤廃
  これまで使用意思に基づく出願の場合、使用宣誓書が提出されるまで、登録されませんでしたが、改正により、使用宣誓書の提出は必要なくなりました。
 ■ 分割出願制度の導入が導入されました

(5)委任状(Power of Attorney)

 代理人の委任状提出は求められていません。

(6)優先権証明書(Priority Document)

 パリ条約に基づく優先権の主張ができます。優先権証明書類の提出は原則不要です。

(7)審 査

 ■ 実体審査(substantive examination)

 (1)絶対的拒絶理由と(2)相対的拒絶理由のいずれも審査されます(12条)。実体審査において拒絶理由に該当しない場合、出願の内容は異議申立のため出願公告(出願公告日から2ヶ月間)されます。
 登録要件を満たしていないと判断された場合、拒絶理由通知が発行されます。出願人は当該通知日から6ヶ月以内に補正書等の提出により応答することができます。この指定期間は正当な理由がある場合には、期間の延長が認められます。
 上記拒絶理由通知に対する補正書等の提出により、依然として当該理由が解消されなかった場合、最終的に拒絶査定となります。当該査定に対して不服を有する場合には、査定発送日から2ヶ月以内に連邦裁判所に対して上訴することができます。

(8)異議申立

 ■ 付与前異議申立

   出願公告後2か月以内に、何人も異議申立をすることができます(商標法38条)。あるいは、異議申立に代えて、CIPOに理由を提出して、その延長を請求することができます。

(9)登 録

 出願公告された後に何人からも異議申立がされなかった場合や、その申立てに理由がないと判断された場合、、出願は許可されます(Notice of Allowance)。使用主義的な登録要件は廃止され、異議申立期間を経過すれば登録証が発行されます。登録に際して使用宣誓は要求されず、登録手数料は廃止されました。

(10)更 新

 商標権の存続期間は、登録日から10年間です。10年ごとに何度でも更新することができます。
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B. マドプロ出願

 マドリッド協定議定書(マドプロ)に加盟国していますので、マドプロに基づく国際商標出願にて指定することができます。

C. リンク

 ■ カナダ知的財産庁(cipo):
     http://www.cipo.ic.gc.ca/eic/site/cipointernet-internetopic.nsf/eng/Home
 ■ カナダ商標検索サイト  :  Canadian trade-marks database
 ■ 特許庁サイト(日本語):  カナダ商標法      カナダ商標規則
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