メキシコにおける商標保護|newpon特許商標事務所

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メキシコ合衆国(Estados Unidos Mexicanos)

 メキシコは、登録主義、先願主義を採用しています。商標制度は、1991年産業財産権法(2012年4月9日官報により改正、以下「法」といいます。)およびその施行規則に準拠しています。さらに様々な国または地域との間で、知的財産に関する規定を含む複数の自由貿易協定(FTA)に加え、1995年に知的所有権の貿易関連側面に関する協定(TRIPS協定)、1976年に工業所有権の保護に関するパリ条約、1900年にメキシコ‐フランス間の工業所有権の相互保護に関する条約にも署名しています。

A. 商標登録出願(直接出願)

(1)願書の記載

 ■ 願書には、出願人の住所及び氏名(法人の場合は名称)をスペイン語で表記する必要があります。
   住所と名称の表記はすべての出願で統一する。メキシコにおける商標の最初の使用開始日若しくは商標が使用されていないことの記載が必要です(法113条)。

 ■ 商標

 記号・文字・図形、立体的形状若しくはこれらを結合、又はこれらに色彩を結合したものなど 視認可能な商標は登録できますが、音、匂い等視覚的に認識できないもの及び動作は、登録の対象ではありません。
 広告スローガンを使用する排他的権利は,産業財産権庁に登録することによって取得される(法99条)。

 ■ 指定商品(役務)

 ニース協定に基づく国際分類を採用しているが、一出願多区分出願制度を採用していないため、1つの出願において複数の区分を指定することができません。

(2)団体標章制度(collective marks)

 合法的に結成された生産者,製造者,取引業者又はサービス業者の組織又は団体は,その構成員の商品又はサービスを市場において第三者の商品又はサービスと識別するために団体商標の登録を出願することができる(法91条)。

(3)証明標章制度(certification marks)

 メキシコにはこの制度がありません。一般的には、証明標章とは,標識であって,その使用に係る商品又はサービスが,商品の出所,材料,製法,又はサービスの実行,質,正確さ,又はその他の特徴について,標識の所有者により証明されていることを表示するものをいいます。

(4)委任状(Power of Attorney)

 提出する必要があります。公証人の認証が必要です。

(5)優先権証明書(Priority Document)

 最初の出願の翌日から6か月以内に主張が可能です。優先権証明書類としては、主務官庁が発行した原文及びそのスペイン語訳を提出。3か月の追完期間があります。

(6)審査

 ■ 不登録事由

 出願日から4か月以内に方式審査が行われ、出願書類の完備、指定商品・役務の審査、方式違背があった場合には、治癒された日が出願日となります。
 方式審査の具備の通知日から3か月以内に絶対的拒絶理由(識別力の有無)及び相対的拒絶理由(先行商標との類似性等の不登録事由の有無について審査され、通知があります。

 ■ 暫定拒絶通知

 審査官が拒絶理由を発見したときには、拒絶査定前に書面で通知され、出願人は所定期間内に意見書や補正書を提出することができます。
 審査官の裁量によりコンセント(consent)が認められます。
 拒絶理由が克服できない場合は拒絶査定となり、この拒絶査定に対して不服ある出願人は拒絶査定不服審判を請求することがでる。拒絶理由が解消されれば商標登録となります。

(7)異議申立

 ■ 付与前異議申立

 商標に関する異議申立制度が導入された(2016年8月30日施行)。その概要は次のとおりです。
 1)申立期間  メキシコに出願されたすべての新規出願は、出願日から10営業日以内に異議申立のために公報に公告される。異議申立期間は、公告日からlヶ月で、延長はできない。
 2)申立適格  公告された出願が登録されることによって自己の利害に影響を受ける第三者は、産業財産権法第90条に規定される絶対的拒絶理由および相対的拒絶理由に基づいて異議申立することができる。
 3)出願人の答弁  出願人は、公報に公告された後30日以内に異議申立の理由に対して答弁書を提出することができる。
 4)異議決定  異議申立を拒絶する決定に対しては不服申立することができないが、異議申立した出願が登録された場合、登録無効請求することができる。
 5)その他  異議申立制度は、出願の審査を停止させるものではないため、産業財産権庁は、通常通り継続して審査を行う。そして、異議申立人の申立内容又は出願人の答弁内容を考慮するか否かを決めることができる。

(8)商標権の発生

 登録決定後、別途手続なく、登録証が発行されます。商標権の存続期間は登録の日から10年間です。10年ごとに更新が可能です。更新手続は、原則として、存続期間満了前6か月から満了日の間に行う必要がありますが、6か月の猶予期間が認められます(同33,34条)。更新時には登録商標がいずれかの指定商品若しくは指定役務に関して少なくとも使用されていることを述べるStatementを提出することが必要ですが、使用証拠の添付は不要です。
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B. マドプロ出願

 メキシコは、マドリッド協定議定書(マドプロ)加盟国です。したがって、マドプロに基づく国際商標出願が可能です。(2文字コード:MX)
 メキシコでの登録が認められると、メキシコ知財庁から商標登録証が送付されます。商標権の存続期間は国際登録の日から10年間です。10年ごとに更新が可能です。更新手続は、国際事務局又は基礎出願(登録)国の官庁に、原則として、存続期間満了前6か月以前に行います。

C. リンク

 ■ メキシコ産業財産庁(IMPI):http://eng.kipi.or.kr/main/main.jsp
 ■ 商標検索サイト(KIPRIS):MARCANET
 ■ 産業財産権法サイト:  メキシコ産業財産権法(日本語)
      メキシコ産業財産規則  改正概要
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