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米国判決Ⅰ( ~ 2015.12)

Alice Corp. Pty. Ltd. v CLS Bank International et al. (No.13-298) Decided June 19, 2014

最高裁は、CAFC大法廷の判決を支持した。クレームは特許非適格な抽象的概念に導くものであるので、101条のもと特許性を有さない。
 裁判所は、特許法101条が特許保護の対象となる主題を定義し、自然法則、自然現象および抽象的アイデアには特許性がないという黙示の例外が含まれることを長い間支持してきた。101条の例外適用において、特許保護に不適格である「人間の創意工夫における"基本的要素(building block)"」と、これら基本的要素を統合し、特許性のある発明に変換されたものを区別する必要があるとの前提下、汎用コンピュータを用いた仲介支払いのリスクヘッジは、抽象的アイデアを適用するための指示(命令)だけでは、抽象的アイデアを特許保護適格性を有する発明に変換するのに十分ではないとして、特許保護適格性を否定した。
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BILSKI ET AL. v. KAPPOS (No.08-8211;964) Decided June 28, 2010

経緯: Bilski氏らは売買のリスクヘッジの方法について特許出願を行ったが、USPTOは保護対象として非適格性との理由で拒絶した。その後、地裁、CAFCでも、USPTOの判断は支持された(In re Bilski(Fed. Cir. 2008, en banc))。これを不服とするBilski氏らが最高裁判所に訴えた。
判決: 最高裁判所は次のように判断した。
(1) 方法発明の特許適格性を判断する基準として、MOTテスト(Machine-or-Transformation test)は有用であるものの、これに限定する必要はない。つまり、米国特許法101条に言う特許適格性の判断におけるMOTテストを唯一のものとするCAFCの判断を否定しつつ、
(2) 発明がビジネスモデルだからといって、それだけで適格性は否定されないと判断し、
Bilskiの出願クレームについては単なる抽象的なアイデア(abstract idea)であるとの理由で特許適格性を否定した。
加えて、State Street Bank事件においてCAFCが提示した"Useful, concrete, and tangible result"という判断基準も採用しないことを宣言した。
ビジネスモデルを特許で保護すべきか否かについては、9名の裁判官のうち5名が保護を認め、4名が保護を認めないとした。1名差という僅差であった。MOTテストを唯一の基準とすべきか否かの争点については、全裁判官が否定した。
「Bilski事件に見る米国審決取消訴訟の一側面」特許庁上席審査官 岩間直純(tokugikon, 2011.1.28. no.260)
Bilski最高裁判決~ビジネス方法発明の特許性~ 弁理士 河野英仁
ビルスキー事件の最高裁判決の要旨
Bilski事件:米国連邦巡回控訴裁判所 ビジネス方法特許付与にあたっての新たなルールを定義 (Morrison Foerster)

Abbott Laboratories, et al. v. Sandoz, Inc., et al.(2007-1400) Decided May 18, 2009

 2009年5月18日、CAFCは、プロダクト・バイ・プロセス クレーム(Product-by-Process Claim)の権利範囲の解釈について、全員法定(en banc)判決を出した。
 Product-by-Process Claimの解釈については、これまで、プロセスによって限定されないとするScripps Clinic判決(※1)と、プロセスによって限定されるとするAtlantic Thermoplastics判決(※2)という異なる判決があり、混乱が続いていた(※3)。
 本判決では、「クレーム記載のプロセスによって限定される」ことが明らかにされた。すなわち、クレームに記載されているプロセスとは異なるプロセスによって製造されたプロダクトは、たとえその構造・組成が同じであったとしても、特許権を侵害しないと判断される。
 Abbottは(US Pat No.4,935,507)の専用実施権者である。507特許は結晶セフジニルに関する特許であり、クレーム2~5はプロダクト・バイ・プロセス形式で記載されていた。クレーム2及び5は次のとおり。
2. Crystalline 7-[2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-hydroxyiminoacetamido]-3-vinyl-3-cephem-4-car boxylic acid (syn isomer) which is obtainable by acidifying a solution containing 7-[2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-hydroxyiminoacetamido]-3-vinyl-3-cephem-4-car boxylic acid (syn isomer) at room temperature or under warming.
5. Crystalline 7-[2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-hydroxyiminoacetamido]-3-vinyl-3-cephem-4-car boxylic acid (syn isomer) which is obtainable by dissolving 7-[2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-hydroxyiminoacetamido]-3-vinyl-3-cephem-4-car boxylic acid (syn isomer) in an alcohol, continuing to stir the solution slowly under warming, then cooling the solution to room temperature and allowing the solution to stand.
 なお、USPTOにおける審査は、わが国と同じく、クレームされたプロダクトはプロセスに限定されないよう解釈するので、クレームされたプロダクトの構造・組成が公知・公用(自明)である場合は、その製法が異なっていたとしても、拒絶される(※4)。
※1 Scripps Clinic & Research Foundation v. Genentech, Inc. (927 F.2d 1565, 1583:1991)
※2 Atlantic Thermoplastics Co. v. Faytex Corp. (970 F.2d 834:1992)
※3 プロダクト・バイ・プロセス クレームの権利範囲解釈 (河野英仁, 2009.06)
※4 米国における知的財産の重要判決 (山口洋一郎, 2010.11 特技懇no.249 p.34)

Quanta Computer, Inc., et al. v. LG Electronics, Inc. (No.06-937) Decided June 9, 2008

 経緯: L社は、マイクロプロセッサとチップセット、これらを組み合わせるコンピュータシステム及びその方法の特許権者であり、インテル社(I社)は、L社からライセンスを受け、また、基本契約で非I社製品との組み合わせた場合にはライセンスされないことを購入者に通知する義務を負っていた。
 Q社は、L社からのライセンス製品に非I社製品を組み合わせて使用するコンピュータを製造したので、L社はQ社らを訴えた。
 CAFCは、L社がL社製品と非I社製品との組み合わを認めていないから条件付き販・売とし、システム特許は消尽しないと判断した。
最高裁の判断: CAFC判決を破棄した。
(1) システム特許は、当該システムが実質的に実施される製品の販売によって消尽する。I社製品が特許発明の基本的特徴を実施しているからである。
(2) 方法特許は、当該方法が実施される製品の販売によって消尽する。さもないと、方法特許に書き換えることによって消尽を免れることができることは、消尽理論を著しく損ねるからである。
(3) I社からQ社への販売は条件付き販売ではない。I社は、基本契約で通知義務を課せられているが、L社はI社に第三者への販売を制限していないからである。
論説「特許権消尽が商取引に及ぼす影響についての一考察」ライゼンス第2委員会(知財管理Vol.60 No.2 2010)
論説「Quanta最高裁判決に見る米国における特許権の消尽について」国際第1委員会(知財管理Vol.59 No.7 2009)
米国判決速報:連邦最高裁 (日本技術貿易㈱, 2008.07.25)
アメリカ合衆国最高裁判所、特許権消尽論に直面
Supreme Court Collection (Cornell University Law School)

Baldwin Graphic Systems, Inc. v. Siebert, Inc. (CAFC 2007-1262 Decided January 15, 2008)

 "Comprising"で導かれるクレームにおける不定冠詞"A"又は"An"は、"One or More"を意味するとされた事例

CIAS Inc. v. Alliance Gaming Corporation et al. (CAFC 2006-1342) Decided September 27, 2007

 "comprised of"が"comprising"と同じオープエンドの移行句であると判断された事例
 "comprising"は、「・・・を含むがこれに限定されない。」という意味を有し、"consist"という文字よりも広い意味を有すると一般的に理解されている。

KSR INT'L CO. v. TELEFLEX INC. ET AL. (No.04-1350) Decided April 30, 2007

 合衆国最高裁判所は、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)の判決を破棄し、問題のクレームは自明であると判断した。自明性の判断において、引例の組み合わせに対する“teaching, suggestion, or motivation”(TSM)の存在が証明されないので非自明としたCAFCの判断を否定した。TSMテストを厳格に(硬直的に)適用することは最高裁のこれまでの判決と矛盾するとし、TMSテスト自体を否定せず、より広い観点でTMSテストを適用した。
・地裁
 2002年にTeleflex Inc.が、自動車用の調整ペダルアセンブリに関する同社特許(6,237,565B1)の侵害を主張して、KSR International Co.をミシガン東部地区連邦地裁に提訴した。これに対し、KSRは 565特許は自明であると主張し、同特許を無効とする略式判決(summary judgment)を下すよう地裁に申し立てた。地裁は、問題の特許発明が調整ペダルアセンブリと位置センサという2つの先行技術の自明な組み合わせに過ぎないと判断し、KSRの申立てを認容した。
CAFCの判決 414 F.3d 1366 (Fed.Cir.2005)
 控訴審でCAFCは、地裁の自明性判断基準に誤りがあるとして原判決を取り消した。CAFCは、自明性の判断のためには「先行技術中の教示事項をクレーム方法で組み合わせることの『教示(teaching)、示唆(suggestion)又は動機付け(motivation)』の存在が具体的に認定されなければならない」と指摘した(2005.01.06)。
Ref.(1) KSR v. TELEFLEX判決速報"(米国特許弁護士 今泉俊克, 2007.05.02)
  (2) Litigation Room (C. Augustine Rakow)
  (3) Case Laws (by Tatsuo Yabe, 2006.11.28)
  (4) 最高裁判所、ソフトウェア特許に関する35 U.S.C.§271(f)の米国外での適用範囲を明確化
    モリソン・フォースター ブリティン(2007.05) (by Tatsuo Yabe, 2006.11.28)
  (5) 米国最高裁による進歩性判断基準についての判決 古谷国際特許事務所ニュースレター143号(2007.5.1)
  (6) KSRインタナショナル対テレフレックスら事件の米国最高裁判決要旨SANARI PATENT TRENDS(弁理士佐成重範のブログ)
  (7) 論説“米国特許法における非自明性”Washington大学 竹中俊子 知財管理Vol.58 No.1 2008
  (8) Leapfrog Enterprises, Inc. v Fisher-Price, Inc. (No.06-8211;1402)Decided May 9, 2007
    KSR判決の後のCAFCにおける最初の自明性に関する判決。CAFCは、無効性の判断基準
   としてTSMテストの厳格な適用を否定し、古い従来技術と当業者には周知のより新しい技術
   との組み合わせにより自明性を認定した。

Microsoft Corp. v. AT&T Corp. (No.05-8211;1056)Decided April 30, 2007

 Applying patent laws to computer software code installed in foreign-made computers
 合衆国最高裁判所は、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)の判決を維持した。マイクロソフトは、問題となっている外国製コンピュータにインストールされているWindowsソフトウェアのコピーを米国から輸出していないので特許権侵害の責任を負わない。さらに、マイクロソフトは、該コンピュータの「構成要素」を米国から「供給」していないので米国特許法§271(f)の責任も負わない。

・背景
 Microsoftは,Windowsソフトウェア製品の国際的配給を促進するために,米国外コンピュータメーカーにソフトウェアのマスターバージョンを限定数供給した。マスターバージョンは,米国内で作成され,「ゴールデンマスター」ディスクまたは電子的転送によって米国外に送られた。 米国外コンピュータメーカーは,Microsoft とのライセンス契約に基づき,多数のコピーを作成し、米国外で組み立て・販売されるコンピュータにインストールした。マスターバージョンには,コンピュータにインストールされたときに AT&Tの特許発明にかかるソフトウェアプログラムが含まれていた。
 AT&Tに訴えられたMicrosoftは,ソフトウェアの米国外での販売は§271(f)に基づく米国特許の侵害を生じないと反論した。
理由;(1)ソフトウェアは無形の情報であり,§271(f)に規定される特許発明の構成要素(components)になり得ない。
(2)たとえ,構成要素に該当するとしても,米国外で組み立てられたコンピュータにインストールされたソフトウェアのコピーはすべて外国で作成されているので,271条(f)の要求するように,実際の「構成要素」が米国から「供給」されてはいなかった。

 地裁は,Microsoftの主張を2つとも退けた。その理由として、(1)ソフトウェアの特許性は十分に確立したものであり,特許法は構成要素を有形の構造に限定していない,(2) §271(f)の目的は,輸出による侵害の回避を禁止するためであり,米国から送られたマスターバージョンから米国外で作成されたコピーは,271条(f)に基づく責任から保護されていないと判示した。
 MicrosoftはCAFCに控訴した。
CAFCの判決 414 F.3d 1366 (Fed.Cir.2005)  控訴審で,Microsoftは,地裁が§271(f)に基づく侵害の決定を誤ったと主張し,(1)複製を取るために輸出されたWindowsソフトウェアのマスターバージョンは,§271(f)に規定される構成要素ではなく,(2)海外で作成されたコピーは,合衆国から供給されていないので,§271(f)に基づく責任は負わない,と主張した。CAFCは,次のように説明した。
A. ソフトウェアは,35 U.S.C. §271(f)に基づく「構成要素(Components)」であると考えられる。Eolas事件においては,CAFCは,「疑問の余地なく,ソフトウェアコードだけで特許適格な発明の資格がある」と述べていた。
B. 米国から輸出されたマスターバージョンから海外で複製されたソフトウェアは,35 U.S.C. §271(f)に基づいて「供給された(Supplied)」とみなされる。
 また、多数意見によれば,「特定事件の結果への不満の救済は,連邦議会の役目であり」,同裁判所の役目ではない。

Abbott Labs v. Baxter Pharmaceutical Products, Inc. No.06-1021(Fed.Cir.2006.11.9)

 公知物質に元来備わっている特性は、その特性を用いた新たな使用方法を提供しない限り、その特性が公知でなくても新規性はなく特許は無効であるとされた事例
 クレーム「セボフルランと、水その他のルイス酸抑制剤からなる麻酔薬(US Patent No.5,990,176)」は、先行技術に開示された物質の新たな特性を認識した発明にすぎない。

U.S. v. Microsoft(Current Case)

・ 特許が市場支配力を有するものであれば、抱き合わせは当然に違法か?
・ Microsoftは「知的財産権を合法的に取得した場合には、その後に当該権利を行使したとしても反トラスト法上の責任が生じることなどありえない。」と主張。
 → 特許法上の「独占」とトラスト法上の「独占」とは違う。(管理人)
 Ref.・Jefferson Parish Supreme Court Of The U.S.

Conoco, Inc. v. Energy & Environmental International, L.C. (Fed. Cir. 05-1363,-1461, Aug.17 2006)

 "Consisting of"の法的解釈。“consisting of”がクレームで使用され、構成を限定的に特定している場合、組成物に一般的に混在している発明とは関係ない不純物が意図的に添加されたとしても、その不純物を含む混合物は依然として、クレームの範囲にあることが示された。また、故意ではない記載不備を訂正する目的の補正は、必ずしも均等論の主張を妨げるものではないことが示された。
cf. ・クレーム解釈手法の原理的考察(2)(加藤朝道、パテント Vol.58 No.2)
   ・弁理士 KIKUMA (August 29, 2006)

Edward H. Phillips v. AWH Corp. (Fed. Cir. 03-1269,-1286, July 12 2005)

 米国特許侵害におけるクレーム解釈の証拠として、出願明細書と出願審査経過書類などの内的証拠と、辞書、専門家証言などの外的証拠とがある。
 CAFC大法廷(en banc)は、内的証拠を重視するのか外的証拠を重視するのかについて7つの質問を提示し、それに応える形で判決が示された。
cf.・フィリップス事件大法廷判決について(By 松本直樹)

eBay v. MercExchange (Opinion of the Court: May 15, 2006)

 2006年5月、連邦最高裁:
 (1) 特許侵害に対する終局的差止命令(Permanental Injunction)を当然のこととして指示する一般的なルールは存在しない。
 (2) 特許事件における終局的差止命令を承認するか否かを決定するための伝統的な4要素基準の適用を確認。
4要素基準:
 1. 原告が回復不能な損害を被ったこと(Irreparable injury)
 2. 金銭的賠償等法律で規定されている救済法では、かかる損害を補償するのに不十分であること(Inadequate remedies at law)
 3. 原告・被告双方が直面する困窮程度のバランスを考慮すると、衡平上の救済が正当化されること(Balance of hardships)
 4. 終局的差止命令によって公共の利益が損なわれないこと(Public Interest)
本判決の影響:
 1. パテントロール(patent trolls)による特許ライセンスや和解交渉における交渉力が低下する。
 2. 侵害が認められた場合、差止命令が保障されているITC訴訟での興味が増大する。
cf.(1) 特許権はどこまで「権利」か-権利侵害の差止めに関するアメリカ特許法の新判決をめぐって-玉井克哉 パテント2006.9 Vol.59 p.45-64
 (2) 弁理士 KIKUMA (May 20, 2006)
 US PHilips Corp. v. International Trede Commission Fed. Cir.[Sep. 25, 2005]

Monsanto Co. v. Scruggs (Fed. Cir.04-1532,05-1120,-1121, Aug.16 2006)

 ScruggsはMonsanto(M社)の種子ライセンス契約は、反トラスト法(antitrust law、独占禁止法)および特許の権利濫用(patent misuse)であると主張した。
 CAFC(連邦巡回区控訴裁判所,Court of Appeals for the Federal Circuit)の判断:
(1) M社の"no replant policy"(再育種禁止方針)は反トラスト法違反ではない。
 理由:Monsanto Co. v. McFarling 363 F.3d 1336(Fed. Cir. 2004)において、"identical policy"(他の実施権者との間で取り決められている実施料を超える額の賠償額)は有効であり、米国特許法284条下での権利の範囲内であると認められている。
(2) M社によって課された技術料は特許権の範囲内である。
(3) "no research policy"(開発禁止)などは特許独占(patent monopoly)の範囲である。
(4) CAFCは、特許消尽を認めず
・ 「種子生産業者による種子の使用は、Monsantoからの実施権取得が条件とされているため、無条件の販売が行われたとは認められない。」
・ さらに、「元のバッチから得られた新しい種子は一切販売されていないため」販売行為があったとも認められない。
(5) CAFCは、黙示の実施権(Implied License)を認めず
・ Monsantoは、すべての実施権者に対し、すべての種子袋に次の通知の貼り付けを義務付けた。
 (ⅰ) 当該種子は米国特許権により保護されている。
 (ⅱ) 種子の購入により実施権が付与されるものではない。
 (ⅲ) 当該種子の使用前にMonsantoから実施権を取得しなければならない。
・ 種子流通業者は、Monsantoの技術を使用する権利を付与する権限を保持していなかった。
cf. 弁理士 KIKUMA (August 20, 2006)

LG Electronics, Inc. v. Bizcom Electronics, Inc. ,Nos. 05-1261, -1262, -1263, -1264, -1302, -1303, -1304 (Fed. Cir. July 7, 2006)

 CAFCは、(1) 明確な責任の否認(disclaimer)に鑑み、黙示の実施権を認めず、(2) 組み合わせクレームおよび方法クレームは消尽せず。
LG Elecs., Inc.とMonsanto後の未解決論点:
・ 販売や実施権にかかる条件をどれだけ制限してよいのか。
・ 再販先の購入者に対する通知は必要か?
・ 黙示の実施権が認められないような合理的な侵害しない用途を構成するのは何か。

Rite-Hite Corp. v. Kelley Company, Inc., 56 F3d 1538 (Fed. Cir. 1995)(大法廷判決 en banc)

 特定の状況においては、損害賠償額は、特許部品のみの価格に基づくというよりも、特許部品と非特許部品を包括した製品全体の価値に基づいて算定される。(EMVR:全市場価値ルール)
 損害賠償を算定するためのルールのひとつであり、合理的なロイヤルティおよび逸失利益に対して適用できる。
EMVRの目的:特許の価値が、単一の部品や製品の売り上げにとどまらずに拡張しうることを認識することにより、特許技術の経済的価値をより適切に評価して特許権者を相応に補償するため。
いつEMVRを使用するのが適切か?
・特許部品と非特許部品は共に、「単一の組立品の構成要素に相当するもの」、「装置全体の一部分」または「機能単位(*)を構成する」ものである。
 (*) 特許部品と非特許部品が目的とする最終製品または成果を生み出すために一体となって機能する。
・非特許部品は特許部品と共に「通常販売される。」
EMVRが不適切な場合は?
・非特許部品は、特許発明との「機能的関連性を本質的には有しておらず、また・・・利便性またはビジネス的優位性のみの理由により、侵害装置と共に販売された可能性がある。」
・非特許部品は、「特許を得た発明に対抗するものでもなく、特許発明と共に機能するものでもない。」
cf. "RECENT TRENDS IN DAMAGES AWARDS AND LICENSE ROYALTIES IN US"(G. R. Edwards、Nikkei Intellectual Property Forum Tokyo, 08 Sep. 2003)
機能的単位(機能的関連性)が見られた例:
(1) Juicy Whip Inc. v. Orange Bang Inc.72 U.S.P.Q.2d 1385 (Fed. Cir. 2004)
販売を促進するために、販売される飲料の外観を模造した特許の対象である飲料販売機と別個に販売された非特許シロップ。これらは、単一の組立品または機械全体の一部に相当する。
(2) Bose Co. v. JBL, Inc. and Infinity System Co.(Fed. Cir., Dec.17, 2001)
スピーカにおける特許の対象である楕円形ベースポートチューブと他の非特許部品。これらは、目的とする音声機能を実現するために「密接不可分なほど共に」作用する。
(3) Tec Air, Inc. V. Denso Mfg. Mich., Inc.72 F.3d 857 (Fed. Cir. 1999)
特許扇風機と非特許ラジエターとコンデンサ装置。

機能的単位(機能的関連性)が見られない例:
(1) Rite-Hite Corp. v. Kelley Company, Inc., 56 F3d 1538 (Fed. Cir. 1995)
特許の対象である車両保護装置と非特許ドックレベラー。これらは一つの結果を実現させるために一体となって機能したわけではなく、共に使用されたとしても、それぞれが個別に効果的に使用できる可能性がある。
(2) Riles V. Shell Exploration and Prod. Co., 298 F.3d 1302 (Fed. Cir. 2002)
特許の対象であるマッドマットを使用せずに海底石油掘削装置を固定する方法と石油掘削プラットフォーム全体。

Schering-Plough v. FTC, 402 F.3d 1056,1067(11th Cir. 2005)

 最高裁は、FTCの強い反論に対してSchering-Ploughをレビューすることを拒否した。
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Union Carbide v. Shell Oil 425 F.3d 1366(Fed.Cir.2005)

 特許発明の構成要件の一部を米国外で実施。
Ref.・Joblove v. Barr Labs., Inc, 429 F.3d 370(2nd Cir. 2005)

NTP, Inc. v. Research In Motion, Ltd. 418 F.3d 1282(Fed.Cir. 2005)

 NTPは、NTPの特許発明(US 5,436,960)の構成要件の一部を米国外で実施(Relayをカナダに)していたRIMに対して、RIMのBlackBerry無線電子メール・システムがNTPの特許を侵害すると主張した。
35 U.S.C.§271(f)(1)で問題となった項目;
*特許発明の構成要素(Components)は"physical components"に限られるか?
*"供給する(supplies)"には「海外でされたコピー」も含まれるか?
*プロセス・クレームにも適用されるか?
cf.(1) "米国特許法の域外適用を拡大する最新CAFC判決"(ケネス・E・クロージン, NGB Sales & Marketing Dept. S.Iino June 6, 2005)
  (2) "RIM対NTP(「BLACKBERRY」)事件の概要と日本法との関連"(Miku H. Mehta, AIPPI(2006)Vol.51 No.7)
  (3) "CAFC Update(17)"(河野特許事務所,2005.2.21)

Merck v. Integra Life Sciences (Opinion of the Court: June 13, 2006)

 最高裁:医薬特許の試験研究の例外を広く認める判決
合衆国最高裁判所(U.S. Supreme Court)は、医薬研究のための特許使用が試験研究の例外に当たるかが問題とされている事件において、後発メーカーはたとえ新薬開発の初期段階であっても、他社の特許化合物を使用することは試験研究の例外規定(セーフ・ハーバー条項)により認められる、との判決を下した。全員一致の判決で、FDA例外規定は予備的な研究には適用されず、FDAでの承認に直接関わる以降の段階での試験のみに適用されると判断したCAFCの判決を破棄した。この判決により、製薬会社は、競合会社の特許の有効期間中に競合医薬品やジェネリック薬の開発に着手できる。

Illinois Tool Works v. Independent Ink.

 ・Supreme Court of The U.S., Oct 2005  ・CAFC:04-1196(Fed. Cir. 2005)
特許製品について、反トラスト法上市場支配力が推定されるか?
最高裁判所の判断:
 特許が必ずしも特許権者に市場支配力を与えるものではないことを確認し、従って、抱き合わせについてのすべての事案において、原告は、被告が抱き合わせをする製品について市場支配力を有することを立証しなければならない。

PSC Computer Products, Inc. v. Foxconn International, Inc. 03-1089(Fed.Cir. Jan 2004)

 権利範囲解釈。US 9,061,239(239特許)は集積回路のヒートシンク用固定装置クリップに関する。239特許クレームの「an elongated, resilient metal strap(伸張されており、弾力のある金属製ストラップ)が問題となった。
cf.・CAFC Update(6)2004.3.19 by KOHNO

Insituform Technologies, Inc. v. Cat Contracting, Inc. 99-1584,00-1005(Fed.Cir. Oct 2004)

 Festo判決の反駁第2要件に基づく反駁が成功し、均等論の主張が認められた。(cf(2)の判決も同様)1991年6月の陪審審理、2000年のCAFC大法廷によるFesto判決(I)、2002年最高裁によるFesto判決(II)、2003年のCAFC大法廷によるFesto判決(III)を経て、最高裁判所から差戻されて、実に地裁での審理開始から14年後に本CAFC法廷における判決に至った。
cf.(1) Primos, Inc. v. Hunter's Specialities, Inc.451F.3d 841(Fed.Cir. 2006) 解説(河野弁理士)
  (2) Cross Medical Prod., Inc. v Medtronic Sofamor Danek, Inc. (No.05–1415)Decided March 20, 2007
     Festo判決の「補正と特許性との関係の希薄性」の基準(反駁第2要件)に基づいて、
   禁反言の推定を覆えせる範囲が非常に狭いことを示した。

Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo K.K. et al., 122 S.Ct. 1831. 62 USPQ 2d 1705(May 28 2002)

 特許性に関する補正を行った場合、禁反言が推定され原則として均等論を主張できない。しかし、一定条件下、均等論の主張を認めるフレキシブルバー(flexible bar)を判示。
 禁反言の反駁3要件:(1) 均等物が補正時に予測不可能であること、(2) 減縮補正の根本的理由が均等物に対してほとんど関係ないこと、(3) 均等物を記載できなかったことに合理的理由があること。
Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo KK 72F.3d 857(Fed. Cir. 1995)
SKKはCAFCに控訴したが、CAFCは地裁判決を支持した。(地裁にて、Festoは均等論に基づく侵害で反論し、SKKは出願禁反言の原則主張。)
Festo CAFC判決(CAFC2000.11.29)
 SKKは連邦最高裁に上告した。連邦最高裁は「Warner-Jenkinson判決の主旨に矛盾する」との理由でCAFC差し戻した。CAFCは、「審査手続中にクレームによる厳粛補正がなされ、その補正が特許要件に関する理由でなされた場合、その補正に係る構成要件に関しては均等論が適用されない。(Complete Bar Rule)」と判断し、SKKの出願禁反言の原則による防御は認められた。Festoは連邦最高裁に上告した。
Festo v. SMC (CAFC decided on July 05, 2007)
 cf.(1) 「フェスト事件の最高裁判決に見る米国に於ける均等論」弁理士 来栖和則 Patent2002 Vol.55 No.9 p.45-52
  (2) 「米国における均等論」弁理士 泉克文 Patent2002 Vol.55 No.12 p.49-59
  (3) 米国特許法判決研究~豊栖康司の学習ノート~
  (4) 日本と米国における“PRO-PATENT”政策(Ronald J.Kubovcik,パテント2004 Vol.57 No.1)

Jazz Photo Corp. v. ITC, 264 F.3d 1094 (Fed. Cir. 2001)

 CAFC(連邦巡回区控訴裁判所)は、使い捨てカメラについて、リサイクスする行為は「修理」にあたり、リサイクル製品に対しては特許権を行使することができないとした。米国では、この判決の存在により、使い捨てカメラのみならずインクカートリッジ等のリサイクル市場が確立されている。
cf. (1) Fuji Photo Film Co., Ltd. v. Jazz Photo Corp., 03-1324, -1331(Fed. Cir.2005)
  (2) Fuji Photo Film Co., Ltd. v. Jack C. Benun 05-1445(Fed. Cir.2006)
  (3) 「消尽論に関するCAFC判決:Jazz v. ITC」弁理士 今泉 俊克 Patent2002 Vol.55 No.3 p.10-12
  (4) アメリカ知財法のプログ(2005年2月)
  (5) プリンタカートリッジをめぐるもうひとつの争い/特許製品の購入者に対する再使用制限の合法性(NGB S.Iino Feb.8, 2006)

DIAMOND v. DIEHR, 450 U.S. 175 (1981)

争点:コンピュータにおけるプログラムは、自然現象を組み合わせた物で、特許として認められるか
要旨:ゴムは整形の前に助剤を加えて適切な時間・温度で加熱しなければならないが、従来は経験的数値を用いて行なわれていた。本発明は、より正確な成形が可能となる、加熱を制御する。USPTOは、すべての計算機プログラムは特許として認められないという立場でこの発明の特許申請を却下した。この理由として、Gottschalk v. Bensonをあげ、本発明は、従来のゴム製造過程を単にプログラムとしただけのものだと主張した。
判決:計算機とプログラムによって制御できる製造機械は特許として認められる。
従前の、数学的な手続きは特許としては認められないというGottschalk v. Benson判決については、すべての計算機プログラム について特許は認められないとは述べていなかったとして、判決は覆さなかった。
cf. (1) ソフトウェア特許(ウィキペディア)
  (2) Nick Reeve Down to business(Journal of Int'l Property Law & Practice, 2007 Vol.2 No.7)

State Street Bank & Trust Co. v. Signature Financial Group Inc., 149 F.3d 1368 (Fed. Cir.1998)

 ビジネス方法であるという理由で保護対象から除外されることはない旨が明確にされ、有用、具体的かつ有形の結果(useful, concrete, and tangible result)を生み出すものであれば保護対象になり得る。
cf. (1) 米国特許実務ノート
  (2) ビジネスモデル特許の事例(弁理士 古谷栄男)
  (3) 奥田百子の特許翻訳ブログ(特許翻訳講座第26回)

Diamond v. Chakrabarty, 447 U.S. 303 (1980)

 人工のバクテリアの特許性を認めた判例
 争点:人工バクテリアは法定特許主題(statutory subject matter)か?バクテリアは、product of nature であって、process, machine, manufacture, composition of matter(米国特許法101条)のどれにもあたらない。
 Prof. Shatzel:
 生物かどうかは関係ない。人間が作った物かどうかが問題である。自然界にもともと存在していた物を発見しても法定特許主題ではないが、存在してなかった物を作ったのであればよい。

Gottschalk v. Benson, 409 U.S. 63 (1972)

 関連する数式は、デジタルコンピュータとの関連以外に実質的な実用性がない。よって、下級審の判決が支持されれば、アルゴリズムそのものに特許を認めたことになる。」として、アルゴニズムに関する方法のクレームを拒絶している。

Deepsouth Packing Co. v. Laitram Corp., 406 U.S.518(Supreme Court of the U.S., 1972)

 侵害する製品を米国外で組み立てるための構成要素部分として輸出することによって,侵害者が米国特許侵害の責任を回避することが可能であったと判示。
Historic Standard:米国外での特許発明の実施は特許侵害ではない。
cf. ・U.S.Patent Act(35 U.S.C.)§271(a) (f)(1)
1984年、連邦議会がそのような行為を予防するために制定。その活動が米国内で行われていた場合に侵害することになるようなやり方でその構成要素が使用されるであろうことを意図して,あるいは知りながら特許発明の構成要素を輸出することを含めるように侵害の定義を拡大。
 「特許発明の構成要素のすべて,または本質的な部分を,その構成要素が全体として,または部分的に組み合わされていない状態で,もしその組み合わせが合衆国内で行われた場合には,特許を侵害することになるであろうような方式で,合衆国外でこれら要素の組み合せを積極的に誘発するようなやり方で,正当な権限なしに,合衆国において,または合衆国から供給し,または供給せしめた者は,侵害者として責めを負わなければならない。」

 
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