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商標-高等裁判所-

         

2016(H28).9.14 知財高裁 H28(行ケ)10086号 審決取消請求「Le Mans」事件pdf

 原告の控訴棄却(請求棄却審決維持)。 『商標法50条所定の「使用」は,当該商標がその指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用(商標法2条3項各号)されていれば足り,出所表示機能を果たす態様に限定されるものではない』と説示する(商標的使用不要説)。その上で,『販売品のワイシャツに,その襟下に本件商標が記された織りネームを付するとともに,本件商標が記載された下げ札を付していたのであるから,本件商標を出所識別標識として使用していたことは,明らかである』として,使用権者の使用が商標的使用であるとこを認めた。 アイライト事件も同様。  

2016(H28).4.12 知財高裁 H27(行ケ)10219号 審決取消請求事件 フランク三浦事件pdf

 商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するかどうかについての判断。  

2013(H25).12.17 知財高裁 H25(行ケ)10158号 審決取消請求事件 LADY GAGA事件pdf

 次のように判示して原告の請求を棄却(拒絶審決認容)した。
 以上によれば,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)は,アメリカ合衆国出身の女性歌手として,我が国を含め世界的に広く知られており,「LADY GAGA」の欧文字からなる本願商標に接する者は,上記歌手名を表示したものと容易に認識することが認められる。
 そうすると,本願商標を,その指定商品中,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,当該商品に係る収録曲を歌唱する者,又は映像に出演し歌唱している者を表示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから,本願商標は,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。
また,本願商標を,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」のうち「LADY GAGA」が歌唱しない品質(内容)の商品に使用した場合,「LADY GAGA」が歌唱しているとの誤解を与える可能性があり,商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって,本願商標は,商標法4条1項16号に該当する。
要望書(『歌手名・音楽グループ名』よりなる商標を拒絶する運用について)日本弁理士会商標委員会
 

2012(H24).02.14 知財高裁 H22(ネ)10076号 商標権侵害差止等請求 チュッパチャプス事件pdf

 いわゆる楽天市場において、「チュッパチャプス」、「ChupaChups」の表示若しくは登録商標に類似する標章を付した商品を展示又は譲渡したことにより、ウェブサイトを運営する楽天株式会社の商標権侵害行為又は不正競争行為が成立するか否かが争われた事件です。ウェブサイトの運営者につき、出店者と同様に商標権侵害の行為主体性が認められる場合がある旨判示されていますが、行為主体性を認める根拠、判断基準の妥当性等が議論となりました。
弁理士 宮永栄「Chupa Chups」事件
 

2011(H23).06.29 知財高裁 H22(行ケ)10253号 審決取消「Yチェア」立体商標事件pdf

 原告の請求が認容され、拒絶審決(不服2009-26081号)が取り消された事例。下記理由により、商標法3条1項3号に該当するとされたが、3条2項(使用による識別力)が認められた。
 「さらに,商品等に,需要者において予測し得ないような斬新な形状が用いられた場合であっても,当該形状が専ら商品等の機能向上の観点から選択されたものであるときには,商標法4条1項18号の趣旨を勘案すれば,商標法3条1項3号に該当するというべきである。その理由として,商品等が同種の商品等に見られない独特の形状を有する場合に,商品等の機能の観点からは発明ないし考案として,商品等の美観の観点からは意匠として,それぞれ特許法・実用新案法ないし意匠法の定める要件を備えれば,その限りにおいて独占権が付与されることがあり得るが,これらの法の保護の対象になり得る形状について,商標権によって保護を与えることは,商標権は存続期間の更新を繰り返すことにより半永久的に保有することができる点を踏まえると,特許法,意匠法等による権利の存続期間を超えて半永久的に特定の者に独占権を認める結果を生じさせることになり,自由競争の不当な制限に当たり公益に反することが挙げられる。
 他方,本願商標の形状における特徴は,いずれも,すわり心地等の肘掛椅子としての機能を高め,美感を惹起させることを目的としたものであり,本願商標の上記形状は,これを見た需要者に対して,肘掛椅子としての機能性及び美観を兼ね備えた,優れた製品であるとの印象を与えるであろうが,それを超えて,上記形状の特徴をもって,当然に,商品の出所を識別する標識と認識させるものとまではいえない。
 以上によれば,本願商標は,商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として,商標法3条1項3号に該当するものというべきである。」
H18年(行ケ)10555号 ミニ・マグライト事件
H19年(行ケ)10293号 シーシェルバー・チョコレート事件
H22年(行ケ)10406号 ゴルチェ香水ボトル事件
コカコーラ・ボトル立体商標事件 第2次ヤクルト容器立体商標事件
堀江亜細亜以子「椅子のデザインが立体商標として認められた事例-Yチェア事件-」知財管理Vol.62 No.1 2012
 

2011(H23).05.17 知財高裁 H23(行ケ)10003号 審決取消「出版大学」商標事件pdf

 原告の請求棄却。拒絶審決(不服2009-26081号)が維持された事例。
 「本願商標の指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授」には,教養,趣味,遊芸,スポーツ,学習等の指導を行う教授所,学校教育法で定める学校及び自動車教習所,理容学校,洋裁学校等の各種学校といった教育施設が教授し又は教育する役務が多数含まれている。そうすると,学校教育法に基づいて設置された正規の大学の名称(出版大学)とそのロゴマークからなる標章であるかのように誤認されるおそれのある本願商標を上記役務に使用するときは,これに接する一般需要者に対し,当該役務の提供主体が,あたかも正規の大学であるかのように誤認を生じさせるおそれは極めて高い。・・・
 本願商標をその指定役務について使用することは,これに接する一般需要者に対し,当該役務の提供主体が,あたかも正規の大学であるかのように誤認を生じさせるおそれがある。そして,そのような事態を招くことは,学校教育法135条1項が定める「学校名称の専用」の趣旨に照らし望ましからざることであり,かつ,正規の教育施設である「学校」を法定したうえで,この正規の「学校」にのみその基本的性格を表示する学校の名称を使用させることによって一般国民に対し学校教育制度についての信頼をもたせようとする公共的要請にも悖り,ひいては学校教育法が保護し,一般世人の共通の意識ともなっている学校教育制度に対する社会的信頼を害することになるというべきであるから,本願商標は,社会公共の利益に反するおそれがある商標である。
 したがって,本願商標が商標法4条1項7号に該当するとした審決の認定,判断に誤りはない。」

※ 登録された事例:「SEOビジネス大学」(不服2008-29266号),「デジタル地球大学」(不服2007-23260号),「経営者大学」(不服2004-12868号),「オペラ大学」(不服2000-605号),「クラシック大学」(不服2000-19666号)
※ 7号該当性が肯定された事例:「園芸療法士」(不服2003-8335号),「管理食養士」(H15(行ケ)248号),「心理分析士」(不服2009-9363号),「RYA英国ヨット協会」(不服2000-17191号),「パリ交通公団の回数券」(不服2001-8600号),「特許管理士」(H10(行ケ)289号,H12(行ツ)120号),「プレジデント経営大学院」(不服2002-15066号),「人材大学」(不服2009-3220号),「日本不動産経営大学校」(不服2000-19528号),「健康省」(不服H10-19182号),「知的財産権登録審議会」(不服2001-23759号),「企業市民白書」(H11(行ケ)394号),「建設大臣」(H16(行ケ)196号),「福祉大臣」(H16(行ケ)197号)
※ 7号該当性が否定された事例:「敷金鑑定士」(不服2009-24017号),「秘書士」(H16(行ケ)206号),「健身計画」(不服2004-21835号),「MOTTAINAI」(不服2006-21394号),「経営者大学」(不服2004-12868号)他多数
廣田美穂「外部向け企業活動の名称に関する検討・考察(商標法4条1項7号を中心として)」知財管理Vol.62 No.3 2012
齊藤整,勝見元博「最近の審判決例にみる商標法4条1項7号」Patent2006 Vol.59 No.8 及び日本商標協会第64号別冊資料(2008.3.10発行)
 

2011(H23).01.31 知財高裁 H21(行ケ)10138 /10264号 審決取消アグロナチュラ商標事件pdf

 商標法53条の2の代理人等の不当登録が争われた事例。… そうすると,本件商標登録出願がなされた平成17年5月12日より1年前以内に原告イデア社は被告アグロナチュラ農協の「代理人」であったとした審決は誤りであるということになる、として審決を取り消した。
東京高裁S58.12.22判決・S56(行ケ)60号 マクドナルド社CASITE審決取消事件
 

2010(H22).11.16 知財高裁 H21(行ケ)10169号 審決取消(ヤクルト容器)事件pdf

 … 本件容器の立体的形状は,本件容器に付された平面商標や図柄と同等あるいはそれ以上に需要者の目に付きやすく,需要者に強い印象を与えるものと認められるから,本件容器の立体的形状はそれ自体独立して自他商品識別力を獲得していると認めるのが相当である。
 

2010(H22).07.12 知財高裁 H21(行ケ)10404号 審決取消(SHI-SA)事件pdf

 …「パロディ」なる概念は商標法の定める法概念ではなく,講学上のものであって,法4条1項15号に … ,原告は引用商標C等の補助参加人の商標をパロディとする趣旨で本件商標を創作したものではないし,前記のとおり,本件商標と引用商標Cとは,生じる称呼(「シーマ」vs「ピューマ」)及び観念が相違し,外観も必ずしも類似するとはいえないのであって,必ずしも補助参加人の商標をフリーライドするものとも,希釈化するものともいうこともできない。
 

2010(H22).03.29 知財高裁 H21(行ケ)10228/ 10229号 審決取消(イルガッチェフェ)事件

 ①「イルガッチェフェ(YIRGACHEFFE)」は,これが「コーヒー,コーヒー豆」に用いられる場合,コーヒー又はコーヒー豆の銘柄又は種類を指すものとして用いられることが多いこと, ②「イルガッチェフェ」が,エチオピアにおけるコーヒー豆の産地として用いられる場合があるが,その場合でも,上記銘柄又は種類としての「イルガッチェフェ」の産地として用いられていることが多いこと, ③上記銘柄又は種類としての「イルガッチェフェ」は,エチオピア産の高品質のコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーについて用いられていることが認められる。
 エチオピアの「イルガッチェフェ」という地名は,我が国の学校教育において使用されている地図(中学校,高校)はもとより,一般の地図にも掲載されておらず,辞書・事典類にも「イルガッチェフェ」の項目はないことが認められるから,一般に我が国においては,エチオピアの「イルガッチェフェ」という地名の認知度は低いものと認められることを総合すると,本件商標が,その指定商品である「コーヒー,コーヒー豆」について用いられた場合,取引者・需要者は,コーヒー豆の産地そのものというよりは,コーヒー又はコーヒー豆の銘柄又は種類,すなわち,エチオピア産(又はエチオピアのシダモ地方イルガッチェフェ地域産)の高品質のコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーを指すものと認識すると認められる。そうすると,本件商標は,自他識別力を有するものであるということができる。
 上記銘柄又は種類としての「イルガッチェフェ」は,いろいろな業者によって使用されているのであるが,それがエチオピア産の高品質のコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーについて用いられている限り,原告による品質管理の下でエチオピアから輸出されたコーヒー豆又はそれによって製造されたコーヒーについて用いられていることになるから,商標権者が原告である限り,その独占使用を認めるのを公益上適当としないということもできない。
 したがって,本件商標登録が商標法3条1項3号が規定する「商品の産地又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するということはできない。
 審決のうち指定商品「エチオピア国イルガッチェフェ地域で生産されたコーヒー豆,エチオピア国イルガッチェフェ地域で生産されたコーヒー豆を原材料としたコーヒー」に関する部分は違法であるから取り消すこととし,原告のその余の請求は理由がないから棄却する。
 無効審判の(被)請求人適格についても判断している。
平成21(行ケ)10226/ 10227 「シダモ(SIDAMO)」について同様な判決
 

2010(H22).2.16 知財高裁 H21(行ケ)10236号 「PINO+」商標登録取消決定取消請求事件pdf

 森永乳業の使用商品「ピノ」は非常に人気のある商品であって,同商品に付された表示「pino」も周知・著名であるのに対し,原告が本件商標を付した清涼飲料「ピノプラス」については,幅広く一般消費者に知れ渡っていると認めるに足りる証拠がないこと,本件商標と引用商標の類似性が高いこと,アイスクリームと清涼飲料の間に一定程度の関連性があり,需要者もある程度共通することからすれば,本件商標と引用商標につき,商標法4条1項15号所定の「混同を生ずるおそれ」があるというべきである。
 

2009(H21).10.28 知財高裁 H21(行ケ)10071号 審決取消(肌優 vs.優肌)事件pdf

 「肌優」の漢字2文字から成る商標(本件商標)が,中段に漢字「優肌」,上段にひらがな「ゆうき」,下段に欧文字「YU-Kl」を配した引用商標と観念において同-または類似し,外観において類似するから,商標法4集1項11号に該当し,同法46条1項1号の無効事由があるとして,無効不成立とした審決が取り消された事例。…特に、本件商標については、複数の称呼が生じ得ることに鑑みると、本件において称呼を重視するのは妥当とはいえず、…
 

2009(H21).02.10 知財高裁 H20(行ケ)10311号 審決取消(SHI-SA)事件pdf

 本件商標と引用商標1とは,外観においても観念・称呼においても異なるものであり,本件商標及び引用商標1が同一又は類似の商品に使用されたとしても,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるとはいえないから,本件商標は引用商標1に類似するものではなく,決定は商標法4条1項11号該当性の判断を誤ったものである。
 

2008(H20).11.07 大阪高裁 H19(ネ)3057号 「Love cosmetic」事件

 「cosmetic」は,「化粧品」を意味する英語で,比較的周知度が高いとはいえ,日本人にとって必ずしも易しい単語とはいえないから,通常の需要者が,控訴人標章中「cosmetic」の部分を,「化粧品」と同等に,控訴人商品が化粧品であると意味するにすぎないと直ちに理解するとまではいえず,この語に自他商品識別能力がまったくないとはいえないとし、控訴人標章(上段に大きく「Love cosmetic」と,下段に上段よりかなり小さく「for two persons who love」他)と被控訴人標章「LOVE」及び「ラブ」他と非類似とした。(判決時報2075)
2009年07月16日知財高裁H21(行ケ)10021 審決取消請求事件「ラブコスメティック」と「ラブ」は類似
 

2008(H20).06.26 知財高裁 H19(行ケ)10391/10392 「CONMAR」事件

 法4条1項7号は、本質的には「商標の構成に着目した公序良俗違反」の商標に適用されるべき規定であって、出願経緯等に着目してこれを適用するのは例外的な場合(「特段の事情」がある場合)にとどめられるべきであり、仮に出願主体に着目するとしても、「公の秩序」を私的領域にまで拡張して適用することは避けるべきである。
2006(H18)年09月20日知財高裁H17(行ケ)10349号 審決取消「赤毛のアン」は公序良俗違反?
松原洋平「著作物の題号と同一構成の商標が公序良俗に反し無効とされた事例― Anne of Green Gables 事件―」知的財産法政策学研究第15号(2007年)  

2008(H20).5.29 知財高裁 H19(行ケ)10215号 「コカコーラ瓶立体商標」事件pdf

 著名な『Coca-Cola』の文字部分を自他商品の識別標識として捉えるのに対し,立体的形状部分は,商品の容器の形状を表すものと認識するにとどまり,それ自体自他商品識別標識として捉えることはないとした審決に対する取消訴訟である。
 「本願商標の特徴的形状について,美感や機能を高めるためではなく,同形状に自他商品識別力を持たせることを目的として開発・採用した斬新な形状である」という原告の主張を認ず,商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として,商標法3条1項3号に該当するとした審決を妥当とした。しかしながら、立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っていると判断し、審決を取り消した。
知的財産No.696 58/12/1593 判例研究:No.330 川瀬幹夫
知的財産No.695 58/11/1393 立体商標登録について(その2)田村善之,劉曉倩
知的財産No.694 58/10/1267 立体商標登録について(その1)田村善之,劉曉倩
 

2007(H19).11.28 知財高裁 H19(行ケ)10172号 「シュープ」無効審決取消事件pdf

 審決取消。『本件商標の出願時及び査定時には,本件商標を構成するShoop の欧文字は,「セクシーなB系ファッションブランド を想起」させるものとして,需要者層を開拓していたものと認められる。また 引用商標の使用された商品に関心を示す,「ティーン世代の少女層向けの可愛いカジュアルファッション」を好む需要者層と,本件商標の使用された商品に関心を示す,いわゆる「セクシーなB系ファッション」を好む需要者層とは,被服の趣向(好み,テイスト)や動機(着用目的,着用場所等)において相違することが認められる。
 引用商標から,「シュープ の称呼が生じる旨認識してい」る需要者は,被告が広告宣伝を行ってきた「ティーン世代の少女層向けの可愛いカジュアルファッション」に関心を抱く需要者層であって,本件商標が使用された商品に関心を抱く「セクシーなB系ファッション」の需要者層やそれ以外の一般消費者ではないといえる。結局,被告が広告宣伝を行ってきた需要者層以外の消費者については,引用商標から「シュープ」の称呼が生じると認識することはなく,上記認定した取引の実情等を総合すれば 称呼を共通にすることによる混同は生じないということができる』
 なお、念のためにとして、特許庁が『セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽及びこれらの類似商品』について無効審決したことに関して,「これらの類似商品」を含めて無効審決をした点において,手続等に違法があるとした。
 

2007(H19).10.31 知財高裁 H19(行ケ)10158号 「COMPASS」不使用取消事件pdf

 請求棄却。(1) 輸出品についての商標の使用 (論点):不使用取消審判の制度趣旨と商標の使用 本判決:「商品」とは,日本国内における流通を予定し,あるいは現に国内において流通している商品を意味し,およそ国内において流通することを予定せず,かつ現に流通していない商品は,これらの規定における「商品」には該当しないものというべきである。けだし,商標法1条は,同法の目的として「この法律は,商標を保護することにより,商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り,‥‥‥を目的とする。」と規定しているところ,ここでいう「業務上の信用」とは日本国内における業務上の信用であり,「需要者」とは日本国内における需要者を意味するからである。
→ 平成18年法律第55号により商標法2条3項2号に「輸出」明記された。
(2) 指定商品の記載「輸送機械器具その部品及び付属品(他の類に属するものを除く。)」について → 本判決を受けて特許庁審判部(平成20年9月『商標登録の取り消し・無効審判の請求の趣旨中「○○及び付属品(他の類に属するものを除く。)」の表示の取り扱いについて』)
「輸出用商品に商標を付する行為が登録商標の使用に該当しないとされ,指定商品の記載不備
   が指摘された事例」 知財管理Vol.59 No.4 判例研究No.332 工藤莞司
 

2007(H19).10.30 知財高裁 H19(行ケ)10178号 「コイダス/coidas」不使用取消事件pdf

 登録商標と社会通念上同一と認められる標章。審決取消。  

2007(H19).10.11 知財高裁 H18(ネ)2387号 「正露丸」普通名称事件pdf

 「正露丸」が普通名称化したかではなく,もともと普通名称にすぎない「正露丸」が商品等表示性を有する表示と認識されるに至ったかであるところ,前記認定のとおり,社会の人々の認識に転換をもたらすような事態は生じておらず,「正露丸」の普通名称性には変わりがないと認められる。控訴棄却。  

2007(H19).9.27 知財高裁 H19(行ケ)10008号 「東京メトロ」不使用取消事件pdf

 無料で頒布される新聞・雑誌(無料紙)の商品性について。「同一又は類似の商標を付した無料紙が現れれば,ある無料紙が築き上げた信用にフリーライドされたり,希釈化されたりする事態も起こり得る。したがって,無料紙においても,付された商標による出所表示機能を保護する必要性があり,商品が読者との間で対価と引換えに交換されないことのみをもって,出所表示機能の保護を否定することはできない」とし審決を取り消した。
商品性に関する判例: (1) 趣味の会事件
(2) ダイダラザウルス事件(大阪地判S45.5.20 S45(ヨ)1219)商標法上の商品とは「商取引の対象として流通性を有する代替的な有体動産であるところ」,遊園地のジェットコースターは土地の定着物であり不可動物であるの代替性が認められず,取引の対象とは認められないから商品ではないとした。
(3) 日曜夕刊事件,(4) 中納言事件,(5) 天一事件,(6) BOSS事件,(7) 木座屋事件,(8) タケダ折り紙事件,(9) ヴィラージュ白山事件,(10) ビッグサクセス事件,(11) シャディ事件
(12) HERZ事件:傍論ではあるが「商品、役務とは、必ずしも有償である必要はない」と述べた。,
(13) 「DALE CARNEGIE」事件,(14) 「TOTAL ENGLISH」事件,(15) 天道礼儀図形事件
(16) がんばれ日本事件
商標協会【第192回判決研究会】小谷 武
 

2007(H19).9.26 知財高裁 H19(行ケ)10042号 「腸能力」事件pdf

 商品の類似について。「豆乳を主原料とするカプセル状の加工食品」(第29類,類似群コード 32F01, 32F02, 32F03, 32F04 が付されている健康食品)と「共棲培養した乳酸菌生成エキスを加味してなる豆乳,その他の豆乳」(類似群コード 32F05 が付された加工食品としての豆乳)とは類似する商品であるとして審決を取り消した。  

2007(H19).6.27 知財高裁 H18(行ケ)10555号 「ミニマグライト」の立体商標pdf

 商標法3条1項3号に該当するが、使用による識別力が認められるとして審決を覆した事例。
 「MAG INSTRUMENT」(原告の名称)が記載されている部分は、商品全体から見ると小さな部分であり、文字自体も細線で刻まれているので目立たない。また、当該名称自体に独立した周知著名性は認められないことから、文字が付されていることは、形状が自他商品識別機能を発揮していると認める上での妨げにならないとした。  

2007(H19).4.26 知財高裁 H18(行ケ)10458号10555号 「がんばれ!受験生」事件pdfpdf

 商標法8条2・4・5項に基づく協議・協議命令・くじの手続を執るべきであったのにこれを看過し,両出願につき商標登録させてしまった場合,これらの手続違背が当然には商標法46条1項の商標登録の無効審判事由に該当しない。
「無効審判における商標法8条2項及び5項の解釈」弁理士 大野義也 知財管理Vol.57 No.11 2007
 

2006(H18).10.17 知財高裁 H18(行ケ)10231号 「WebRings」の識別力pdf

 拒絶審決(商標法3条1項6号又は4条1項16号)を取り消した事例。
 「WebRings」の語は,IT関連の各種辞典類には全く掲載されておらず,「ウェブリングス」をGoogleによって検索すると,H13.11.28の時点で31件のヒット件数があったが,そのうちの15件は,原告の使用に係るものであった。このことから,「同じ趣味や興味を持つ人のサイト(ホームページ)をリングのように繋ぎ合わせるシステム」といった意味合いを表すものとして使用される,一般化したインターネット上の用語あるいは普通名称として理解,認識されているとはいえない。(判例時報No.1982 p140-149)
指定役務:[第42類] 電子計算機の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守など  

2006(H18).9.28 知財高裁 H18(行ケ)10104号 不使用取消審判pdf

 商標の使用(カタログの頒布)について。取引相手にカタログが配布されただけでは「頒布」されたには該当しない。  

2006(H18).9.27 知財高裁 H18(行ケ)10229号 「紅隼人」の識別力pdf

 「ベニハヤト」がさつまいもの一品種であり,昭和62年ころから雑誌や新聞で紹介され,取引者,需要者に広く知られるようになっている。
 「紅隼人」を和菓子類やアイスクリームの原材料として利用することができ,あるいは実際に利用されていることが取引者,需要者に広く知られていたと認められる以上,本件商標を,「ベニハヤト」を使用したアイスクリームに使用した場合,取引者,需要者は,商品の原材料,品質を表示したものと理解して,自他商品を識別する標識とは認識しないというべきである。(無効2002-35294号)  

2006(H18).9.21 知財高裁 H18(行ケ)10225号 不使用取消審判pdf

 商標「LAB/SERIES」は,原告から使用許諾を受けた本件登録商標「LAB」の使用である。
 登録商標の使用の事実の立証は,当該登録商標の不使用取消審決の取消訴訟における事実審の口頭弁論終結時に至るまで許される(最高裁判H3.4.23 S63(行ツ)37)。
 

2006(H18).6.12 知財高裁 H18(行ケ)10054号 「三浦葉山牛肉」事件pdf

 請求棄却。法人格なき社団である「三浦半島酪農組合連合会」の代表者の出願商標についての商標法3条2項の適用(不服2003-8860号事件)。
当該商標が実際に何人かの業務に係る商品であることを認識できるものとなっていることを認めるに足りる十分な証拠がなければ,商標法3条2項の要件を具備するものといえない。「三浦葉山牛」が一般消費者の間で一定の知名度を有するからといって,本願商標が使用された結果,連合会ないしその構成員の業務に係る商品についてのものであると一般消費者に認識されるに至っているということにはならない。  

2006(H18).5.25 知財高裁 H17(行ケ)10817号 「WHITE FLOWER」不使用取消審判pdf

 商標法2条3項2号にいう「譲渡」が日本国内において行われたというためには,譲渡行為が日本国内で行われる必要があるというべきであって,日本国外に所在する者が日本国外に所在する商品について日本国内に所在する者との間で譲渡契約を締結し,当該商品を日本国外から日本国内に発送したとしても,それは日本国内に所在する者による「輸入」に該当しても,日本国外に所在する者による日本国内における譲渡に該当するものとはいえない。
「ボーダレス時代における商標の使用と」不使用取消(古関宏 知財管理Vol.57 No.3 2007)

2006(H18).02.16 知財高裁 H17(行ケ)10618号 「SANYO SHINPAN」事件pdf

 請求棄却。商標の類否は、・・・ 総合的に判断すべきものと解される(最高裁S39年(行ツ)110号,S43.02.27第三小法廷判決)。なお,ここで考慮される取引の実情とは,指定商品又は役務全般についての一般的,恒常的なものを指すものであって,特殊的,限定的なものを指すのではない(最高裁S47(行ツ)33号,S49年4月25日判決)。  

2006(H18).01.30 知財高裁 H17(行ケ)10484号 「新美脚」事件pdf

 請求棄却。商標法3条2項にいう「需要者」とは,本件指定商品である「ジーンズ製のズボン」のような場合にあっては,小売業者のような取扱業者のみならず最終購買者である一般消費者をも含むと解するのが相当である。  

2005(H17).1.20 東京高裁 H16(行ケ)189号 商標「梅」ミツカングループ本社pdf

 >商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・判例時報No.927,p233)。  

2004(H16).9.16 東京高裁 H16(行ケ)18号 混同を生ずるおそれpdf

 「ひよこちゃん」(30類:即席中華そばのめん) v. 「ひよこ」(立体商標/30類:菓子) 混同を生ずるおそれについての判断と類否判断を丁寧に説明  

2004(H16).8.31 東京高裁 H15(ネ)899号 孔版印刷用インク事件pdf別紙

 被控訴人らが、顧客から使用済みのインクボトルの引渡しを受けて、同形のインクボトルに被控訴人インクを充填して販売する態様の行為においても、被控訴人らのパンフレット等には、控訴人印刷機等の名称がそのまま使用され、打ち消し表示もされておらず、むしろ被控訴人インクが控訴人の純正インクであるかの如き誤解を招く記載もあること、・・・ 等が認められるのであるから、顧客から空インクボトルの提供があっても、それ故に、顧客が「インクボトルに充填されているインクが控訴人と無関係に製造された被控訴人インクである」ことを正確に認識することができるとはいえない。(侵害)  

2004(H16). 7.26 東京高裁 H15(行ケ)456号 「半導体ウエア」商品の類似事件pdf

 「電子応用機械器具(医療機械器具を除く)」[類似群コード:11C01]と「半導体ウェハ」[類似群コード:11C01]について,一般的には類似(包含)の関係にあると考えられているが、取引の実情を勘案した上で判断を加えて、非類似とした。(判例時報No.1874,p122)  

2004(H16).8.31 東京高裁 H15(ネ)899号 インク詰替えサービスpdf

 判旨:「本件登録商標は,商品(インク)の取引において出 所識別機能を果たしているものであって,被控訴人らの行為は,実質的にも本件登 録商標の「使用」に該当し,本件商標権を侵害するものというべきである。」
 被控訴人がいわゆる打ち消し表示をしていたらどうなるか?(需要者が出所の混同を生ずるか否かで判断すべきと考える。)
原審・東京地裁H14(ワ)4835pdf  

2004(H16). 5.11 東京高裁 H15(行ケ)422号 「Indian MOTOCYCLE」事件pdf

 被告は,先願の商標(商標法8条1項)は商標登録されている必要がある,と主張する。しかし,同法8条1/3項並びに同法46条1項1号並びに法のその余の規定をみても,同法46条1項1号所定の無効理由の判断において,ある商標が同法8条1項の規定における先願の商標とされるためには,それが商標登録されている必要がある,と解すべき理由は見いだし得ない。  

2003(H15).12.26 東京高判 H15(行ケ)316号 「パテントマップくん」事件pdf

 商標の類否判断において参酌されるべき取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的,恒常的な取引事情であるから(最高裁S49.4.25第一小法廷判決・取消集〔S49年〕443頁・保土ヶ谷化学社標事件参照),指定商品の一部について当該商標が現在使用されている具体的な使用態様などの個別的,一時的な事情は,対比される両商標が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かの判断要素として重視することは必ずしも相当ではない。  

2003(H15).10.28 東京高裁 H15(行ケ)121号  「ABIROH」事件pdf

2003(H15).8.29 東京高裁 H14(行ケ)581号 「角瓶」立体商標事件pdf別紙

 立体商標における使用による顕著性(商標法3条2項)の適用。「角瓶」との名称が,需要者の間に広く認識されるようになり,自他商品識別機能を果たすようになったということはできても,本願商標の形状自体が,直ちに自他商品識別機能を有するということはできないとした。  

 商標法60条の40と10条の分割における遡及効について 参考:最高裁判決  

2003(H15).7.14 東京高裁 H14(行ケ)346号 「G.PATRICK」不使用取消事件

 商標権者等が商品に付した商標は,その商品が転々流通した後においても,当該商標に手が加えられない限り,社会通念上は,当初,商品に商標を付した者による商標の使用であると解されるから,その商品が実際に何人によって所有,占有されているとを問わず,同法2条3項に該当する行為が行われる限り,その行為は,当初,商品に商標を付した者による商標の「使用」行為であるというべきである。これを本件のような我が国で商標登録を有する外国法人との関係についてみれば,商標権は,国ごとに出願及び登録を経て権利として認められるものであり,属地主義の原則に支配され,その効力は当該国の領域内においてのみ認められるところから,当該外国法人が商標を付した商品が我が国外において流通している限りは,我が国の商標法の効力は及ばない結果,我が国の商標法上の「使用」として認めることはできないものの,その商品がいったん日本に輸入された場合には,当該輸入行為をとらえ,当該外国法人による同法2条3項2号にいう「商品に標章を付したものを輸入する行為」に当たる「使用」行為として,同法上の「使用」としての法的効果を認めるのが相当である。  

2002(H14).1.30 東京高裁 H13(行ケ)265号 「角瓶」商標 審決取消pdf別紙

 外観、称呼及び観念を総合的に比較検討し、全体的に考察した場合には、上記のとおり本願商標と厳密には書体が同一ではない文字、縦書きで書された文字及び「角」と「瓶」の字間が本願商標よりも広い文字による表示に係る商標も、本願商標と商標としての同一性を損なうものではなく、競業者や取引者、需要者等の第三者に不測の不利益を及ぼすおそれがないものと社会通念上認められるから、使用商標が出願商標と同一である場合に当たるものというべきである。  

2001(H13).7.12 東京高裁 H12(行ケ)447号 吸収性局所コラーゲン止血剤 | pdf

 「止血剤」は,「医療補助品」に属する「脱脂綿」に類似する。従って、「止血剤」は,「薬剤」には属さない。  

2001(H13).1.31 東京高裁 H12(行ケ)105号 商品の小売り 「ESPRIT」pdf

 指定役務を第35類「化粧品等に関連する小売り」は、商標法6条1項の要件を具備しない。小売はあくまでも商品の販売を目的とするものであって、現に、商品の小売において、商品本体の価格とは別にサービスの対価が明示され、独立した取引としての対価の支払が行われているものではない。(平成18年改正商標法2条2項で「役務には、小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供が含まれるものとする。」と規定された。)  

2000(H12). 8.29 東京高裁 H11(行ケ)390号 シャディ事件pdf

 「多数の商品を掲載したカタログを不特定多数人に頒布し、家庭にいながら商品選択の機会を与えるサービス」(第42類)は、指定役務として認められないとされた事例。原告の本件カタログによるサービス業務は、商品の売買に伴い、付随的に行われる労務又は便益にすぎず、商標法にいう「役務」に該当しない。  

2000(H12).4.13 東京高裁 H11(行ケ)101号 いかしゅうまい事件pdf別紙

 本件商標の査定不服の審判の審決時(H9.9.29)においても、商品「いか入りしゅうまい」に使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できるものとなっていたものと認めることはできない。  

2000(H12).01.27 東京高裁 H11(行ケ)184号 審決取消請求事件pdf

 他人の著名な略称「ダイレクトライン」の商標登録取り消し(4条1項8号)。  

2000(H12).01.18 東京高裁 H11(行ケ)156号 地模様商標 審決取消請求事件pdf

 原告のトランプ生産の歴史並びにその生産に係るトランプの箱及びカードの裏面の態様を斟酌してみても、我が国において本願商標に係る地模様だけから自他商品識別機能が果たされてきたものと認めることはできない。  

1999(H11).11.29 東京高裁 H10(行ケ)18号 地名の商標登録pdf

 「母衣旗」の語が現在の石川町大字母畑の地名の由来であるとしても、伝承的な範囲内に止まるとし、本件商標の登録を維持した審決は妥当。  

1999(H11).11.24 東京高裁 H10(行ケ)413号 SAKE市場MARCHE'事件pdf

 「『MARCHE′』の文字部分より、単に『マルシェ』の称呼をも生ずる」と認定したが、それは誤りである。
すなわち、本願商標は、「SAKE市場MARCHE′」と同一書体同一間隔でなり、原告は、かかる本願商標について創作し、登録出願をしたのであるから、たとえ、それがやや冗長であるとしても、被告としては、これを不可分一体のものとして拒絶理由の有無を審査すべきであって、これを分断・分析することは許されないのであり、それが従来の特許庁の実務であるし、工業所有権の出願における大原則でもある(最高裁H3年3月8日判決・民集45巻3号123頁)。  

1999(H11).9.30 東京高裁 H10(行ケ)380号 日本美容医学研究会事件pdf

 法人格のないでない社団は、商標法4条1項8号の「他人」に含まれる。その社団の名称について4条1項8号を適用するためには、著名性が必要である。  

1996(H8).4.17 東京高裁 H7(行ケ)52号 SPA審決取消請求事件pdf

 『SPA+図形』×『SPAR/スパー』(非類似)
 … 本願商標の前示現実の使用状況からすると、取引の場において、本願商標を使用した商品が引用商標を使用した商品とその出所につき誤認混同を生ずるおそれはほとんどないというのを相当とするから、結局、審決が、図形部分と文字部分とを分離し、単に本願商標の文字部分の称呼が引用商標の称呼と類似することのみを理由に本願商標と引用商標との類否を判断したことは、誤りであるというべきである。(特許と企業329 1996年8月 p71-75)
論文:出願商標の現実の使用状況と商標の類似性-SPA事件-田村善之
論文:氷山の一角「氷山事件」は怒っている-三点観察(外観・称呼・観念の類似)と取引の実情-松田治躬  

1995(H7).3.29 東京高裁 H6(行ケ)150号 ギベルティー事件pdf

 『ギベルティー/Gibelty(黒猫の図形)』×『ギバルティ/GIBALTI』(非類似)
 図形部分と文字部分との結合商標の場合に,両部分が外観上概念上不可分一体の関係にあるものと認めるべき事由がある場合のみにこれを一体のものとし,これに当てはまらない場合は別個のものとして,文字部分に依拠して商標の要部をとらえるとの考察方法は,前示のとおり,世人が個々の情報間の差異に敏感に反応する習性を有し,また,図形の持つ情報伝達力が文字の持つ情報伝達力と比肩するに足りる大きさを有するに至っている現時の社会情勢からすれば,結合商標の商品識別力を正当に評価する方法としては,安易にすぎるものといわなければならない。(裁判長:牧野利秋)  

1991(H3).2.28 東京高裁 H2(行ケ)48号 POLA事件pdf

 商標法第50条における登録商標の使用は、「商標がその指定商品について何らかの態様で使用されておれば十分であって、識別標識としての使用(すなわち、商品の彼比識別など商標の本質的機能を果たす態様の使用)に限定しなければならぬ理由は、全く考えられない。」として、登録商標の使用を認め、原告の請求を棄却(不使用取り消し事由なしとする審決を維持)した。商標法第50条における商標の使用は、同法2条3項の文言どおりの使用で足りるとする説(少数説)。
出所表示を発揮する使用でなければならないとする説(多数説):「商標法第50条における登録商標の使用」中村仁(別冊Patent Vol.62 p.138)  

1984(S59).9.26 東京高裁 S58(行ケ)156 ジョージア事件pdf別紙

 「仮に原告主張のとおり、ジョージア州において現実に本願商標の指定商品が生産されていないとしても、ジョージアという地名が右指定商品の産地を示すものではあり得ないと考えられる特段の事情のない限り、右取引者・需要者はその商品がその地で生産されているかのように思うであろうから、本願商標はその指定商品の産地を普通に表示する標章のみからなる商標であるといわなければならないところ、右特段の事情を認めるに足りる証拠はない。」として、商標法3条1項3号に該当するとした審決の判断は正当である。また、同法同条2項については、コーヒー、ココア、コーヒー飲料についての使用による顕著性は認められるが、紅茶については認められないので、本願商標については、商標法3条2項の適用により商標登録を受けることができない。  

1983(S57).6.16 東京高裁 S57(行ケ)110 「DCCコーヒー」事件

 かかる全国的に流通する日常使用の一般的商品について、商標法4条1項10号が規定する「需要者の間に広く認識されている商標」といえるためには、それが未登録の商標でありながら、その使用事実にかんがみ、後に出願される商標を排除し、また、需要者における誤認混同のおそれがないものとして、保護を受けるものであること及び今日における商品流通の実態及び広告、宣伝媒体の現況などを考慮するとき、本件では、商標登録出願の時において、全国にわたる主要商圏の同種商品取扱業者の間に相当程度認識されているか、あるいは、狭くとも一県の単位にとどまらず、その隣接数県の相当範囲の地域にわたつて、少なくともその同種商品取扱業者の半ばに達する程度の層に認識されていることを要するものと解すべきである。  

1977(S52).8.24 東京高裁 S50(行ケ)154 「日曜夕刊」事件pdf

 『被告が「日曜夕刊」なる印刷物を無料で配付したのは、被告の朝日新聞取次販売営業の顧客に対するサービスたるにすぎず、もとより、商取引としてなされたものとはいえず、したがつて、右印刷物は商標法第2条にいう商品というに足りない』と判示した。  

1973(S48).7.31 東京高裁 S48(ネ)192 「おもちゃの国」事件pdf

 デパートのおもちゃ売り場で「おもちゃの国」という看板などの表示をしていたために、玩具について登録商標「おもちゃの国 TOYLAND」を有する商標権者が訴えた。
 「その使用の態様から判断すれば、単に被控訴人店舗内において玩具の売場を案内、指示するためにのみ用いられたものと認めるべきであって、商品に関する広告その他商標の使用にあたらない。」として商標権侵害を否定した。(商標としての使用)  

1973(S30).6.28 東京高裁 28(ネ)2096 「天の川」仮処分異議事件

 被控訴人が多大の広告、宣伝費を投じて広く認識されるに至つた商標「天の川」の名声を、自己の利益に用いんとし、たまたま第三者が所有し、全然使用されていなかつた登録商標「銀河」を譲り受け、これによつて被控訴人の前記商標「天の川」の使用を禁圧しようとしたものと推断するの外なく、以上認定された一切の事情のもとにおいて、かかる行為は権利の濫用として許されないものといわなければならない。。
 

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