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民事・刑事 -最高裁判所-

2023(R5).10.25 大法廷決定 H30(受)234 性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
 生物学的な性別は男性であるが心理的な性別は女性である抗告人が、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(特例法)3条1項の規定に基づき、性別の取扱いの変更の審判を申し立てた事案である。
 特例法3条1項4号(本件規定)は、「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。」と規定するところ、身体への侵襲を受けない自由の制約については、現時点において、その必要性が低減しており、その程度が重大なものとなっていることなどを総合的に較量すれば、必要かつ合理的なものということはできないので、憲法13条に違反する。
 「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。」(5号規定)については、原審が判断していないので、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻す。
2019(H31).3.5 第三小法廷 H30(受)234 損害賠償請求事件
 本件高圧受電方式への変更をすることとした本件決議には,団地共用部分の変更又はその管理に関する事項を決する部分があるものの,本件決議のうち,団地建物所有者等に個別契約の解約申入れを義務付ける部分は,専有部分の使用に関する事項を決するものであって,団地共用部分の変更又はその管理に関する事項を決するものではない。したがって,本件決議の上記部分は,「電力の供給に用いられる電気設備に関する団地共用部分につき建物の区分所有等に関する法律」(法)66条において準用する法17条1項又は18条11項の決議として効力を有するものとはいえない。
 共同住宅等に対する電気の一括供給の在り方について(2018・11・8 資源エネルギー庁)
 電力自由化における集合住宅の受電契約のあり方に関する現状における高圧一括受電契約の問題点と今後の課題(打木・池田)
2014(H26).7.18 第二小法廷 外国人の生活保護
 日本国内で永住権を持つ外国人が、日本人と同様に生活保護法の対象となるかどうかが争われた訴訟で、最高裁判所第二小法廷は、「外国人は生活保護法の対象ではなく、受給権もない。」とする判断を示し、「保護法の対象となる」とした二審・福岡高裁判決(福岡高判平成23年11月15日判タ1377号104頁)を破棄した。
 森保滉大_外国人の生活保護:最判平成26・7・18賃社1622号30頁
2008(H20).9.12 第二小法廷 H19(受)1040 損害賠償請求事件
 破棄差戻し。Xの友人Aが,Xの父親B所有の自動車を運転してバーに赴いたXと飲酒をした後,寝込んでいるXを乗せて同自動車を運転し,追突事故を起こした場合において,Bが自動車損害賠償保障法3条にいう運行供用者に当たるとされた。
2008(H20).4.25 第二小法廷 H18(あ)876 傷害致死被告事件
 責任能力判断の前提となる生物学的要素である精神障害の有無及び程度並びにこれが心理学的要素に与えた影響の有無及び程度について,専門家たる精神医学者の意見が鑑定等として証拠となっている場合には,鑑定人の公正さや能力に疑いが生じたり,鑑定の前提条件に問題があったりするなど,これを採用し得ない合理的な事情が認められるのでない限り,裁判所は,その意見を十分に尊重して認定すべきであるとし、原判決を破棄し、事件を原裁判所に差戻した。
ジュリストNo.1367 2008.11.15 p.114 時の判例(前田巌)
2006(H18).3.13 第二小法廷 H17(受)76 損害賠償請求事件
 破棄差戻し。高等学校の生徒が課外のクラブ活動としてのサッカーの試合中に落雷により負傷した事故について引率者兼監督の教諭に落雷事故発生の危険が迫っていることを予見すべき注意義務の違反があるとされた。
2006(H18).1.24 第三小法廷 H17(受)541 損害賠償請求事件
 破棄差戻し。特許庁の担当職員の過失により特許権を目的とする質権を取得することができなかった場合,これによる損害額は,特段の事情のない限り,その被担保債権が履行遅滞に陥ったころ,当該質権を実行することによって回収することができたはずの債権額というべきである。そして,… 本件特許権の適正な価額 … 損害額となる。
 … 特許権の適正な価額は,損害額算定の基準時における特許権を活用した事業収益の見込みに基づいて算定されるべきものであるところ,… 。
2006(H18).1.19 第一小法廷 H15(オ)456 不当利得返還請求事件(敷金)
 債務者が利息制限法所定の制限を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下での制限超過部分の支払の任意性の有無。
2005(H17).12.16 第二小法廷 H16(受)1573 敷金返還請求事件
 賃借建物の通常の使用に伴い生ずる損耗について賃借人が原状回復義務を負う旨の特約が成立していないとされた。
2005(H17).9.13 第三小法廷 H14(行ヒ)72 独禁法審決取消
 独禁法7条の2所定の売上額の意義については,事業者の事業活動から生ずる収益から費用を差し引く前の数値を意味すると解釈されるべき。
2004(H16).4.8 第一小法廷 H15(許)44 移送申立て却下決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
 破棄差戻し。民訴法5条9号は,「不法行為に関する訴え」につき,当事者の立証の便宜等を考慮して,「不法行為があった地」を管轄する裁判所に訴えを提起することを認めている。同号の規定の趣旨等にかんがみると,この「不法行為に関する訴え」の意義については,民法所定の不法行為に基づく訴えに限られるものではなく,違法行為により権利利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者が提起する侵害の停止又は予防を求める差止請求に関する訴えをも含むものと解するのが相当である。
2001(H13).11.27 第三小法廷 H10(オ)773 損害賠償請求事件
 瑕疵担保による損害賠償請求権には消滅時効の規定の適用があり,この消滅時効は,買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行すると解するのが相当である。
1998(H10).9.10 第一小法廷 H9(オ)448 損害賠償
 甲と乙が共同の不法行為により丙に損害を加えたが、甲と丙との間で成立した訴訟上の和解により、甲が丙の請求額の一部につき和解金を支払うとともに、丙が甲に対し残債務を免除した場合において、丙が右訴訟上の和解に際し乙の残債務をも免除する意思を有していると認められるときは、乙に対しても残債務の免除の効力が及ぶ。
 
1998(H10).6.12 第二小法廷 H5(オ)708 損害賠償請求の除斥期間  
 
 不法行為を原因として心神喪失の常況にある被害者の損害賠償請求権と民法724条後段の除斥期間
 不法行為の被害者が不法行為の時から20年を経過する前6か月内に不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合に、その後当該被害者が禁治産宣告を受け、後見人に就職した者がその時から6か月内に不法行為による損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、民法158条の法意に照らし、同法724条後段の効果は生じない。  
 
S61.2.27 第一小法廷 S58(オ)767 損害賠償  
 
 警察官のパトカーによる追跡を受けて車両で逃走する者が惹起した事故により第三者が損害を被つた場合において右追跡行為が国家賠償法一条一項の適用上違法であるというための要件。  

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