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国際出願制度(特許)

 外国で特許権を取得するためには、その国の国内法に沿った特許権を取得することが必要です。そのためには、2つのルートがあります。「直接各国に出願するルート」と 「国際出願経由で各国へ移行するルート(PCT国際出願)」です。ここでは、PCT国際出願制度(特許)について明記しています。

(1)特許協力協約(PCT)

  特許協力協約(Patent Corporation Treaty)は、1970年にワシントンで調印された、特許出願手続を共通にする条約です。わが国は、1970年に加盟し、2013年10月イラン・イスラム共和国(IR)が加盟し、加盟国は148となりました。PCTは、パリ条約19条にいう特別の取極であり、パリ条約の加盟国のみが締約国になることができます。PCTによる国際出願は、特許と実用新案を対象とし、意匠や商標は対象としていません。

(2)PCT国際出願

 願書、明細書、請求の範囲、必要な図面及び要約を日本国特許庁へ提出します。(電子出願はできます。英語の場合には、欧州特許庁への提出となります。)先にした特許(実用新案登録出願)出願に基づく優先権の主張も可能です。新規性の喪失の例外の適用も受けることができます。(優先権の主張・新規性の喪失の例外の適用の有効性は移行国で判断されます。わが国の場合には、優先権では出願人の完全同一が必要であり、新規性の例外については特許法第30条の規定が適用されます。)
 PCT国際特許出願の出願から特許付与(あるいは拒絶)に至るまでの手続きは、「国際段階」と「国内段階」(国内ではなく広域体に国際出願が提出される場合は「広域段階」)と呼ばれている2つの段階からなります。

 国際段階は、国際出願が提出された時点から始まり、国際出願が取り下げられない限り、種々の方式点検、国際調査、見解書の作成、出願の公開、任意の国際予備審査までのプロセスを含みます。この段階の間、出願人から特定の請求がある場合を除いて、国内あるいは広域官庁が出願の処理又は審査を行うことはありません。
国内段階では各国の特許法に基づいて特許性が判断されます。

(3)国際調査

 国際調査機関(日本語明細書を日本国特許庁へ提出した場合には、日本国特許庁)による国際調査報告と国際調査機関の見解書が、通常、優先日より16か月以内に作成され出願人に送付されます。これによって、関連する先行の特許文献情報を入手することができます。

(4)国際調査予備審査

 国際予備審査の請求書を提出すると、国際予備審査機関により国際予備審査が行われます。この国際予備審査において、審査官は出願人からの意見又は第19条もしくは第34条に基づく補正を考慮に入れて、新規性、進歩性、産業上の利用可能性の問題についてさらに検討します。国際予備審査は、国際予備審査報告の作成により終了します。

(5)国内移行手続

 出願日(又は、最先の優先日)から通常2年6月以内に、各国の国内官庁への移行手続を完了させることが必要です。国内移行と同時、又は一定期間内(わが国の場合、国内書面提出日から2か月以内)に、翻訳文を提出しなければなりません。このことにより、各国特許庁の審査に継続します。

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 世界中を見渡してみると、未だ数多くのビジネスチャンスが残っています。知的財産である特許は、もはや国内だけ保護すれば良いというものではなくなりました。アイデアをお持ちで世界基準の権利を取得したいとお考えでしたら、弊所にぜひお力添えさせてください。

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