① 工業上利用性(3条1項柱書)
「工業上利用」とは、工業的量産過程において同一物を量産することができることをいうと解されています。意匠の資質が工業上利用できる、すなわち、意匠が工業的に造れる資質をもっていることであり、工業上に役立つことを意味しません。したがって、農業的・商業的の他、自然現象も排除されます。
② 新規性(3条1項)
新しいことが必要です。公知・公用・刊行物公知でないことが必要であり、「公知(公然に知られた)」とは、意匠の内容を秘密にする義務を負わない人が意匠の内容を知ったことをいいます。「世界公知」ですから地球の反対側のどこかで公知になれば特許性は失われます。「出願時」ですから、時分まで問題になります。したがって、できるだけ早く特許出願することが重要です。
③ 創作非容易性(3条2項)
出願時にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(当業者)が公知の形態から容易に創作できた意匠は登録できない。真に保護価値のある創作性の高い意匠を適切に保護し、そのような意匠創作にインセンティヴを与えるためです。
早期審査を希望する場合には、「早期審査に関する事情説明書」を提出することができます。早期審査が認められれば、早期に(申請から2~3か月内)に審査結果が届きます。
早期審査の対象となる意匠は、次の(1)又は(2)の要件を満たすことが必要です。
① 権利化について緊急性を要する実施関連出願
出願人等が、その出願の意匠を実施しているか又は実施の準備を相当程度進めている意匠登録出願であって、以下のいずれかに該当し、権利化について緊急性を要するものであること。
i ) 出願意匠(又はその類似意匠)を実施しているか(又は準備を相当程度進めている)ことが明らかな場合