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商標の侵害訴訟

商標権侵害とは?

 商標権侵害とはどのような行為をいうのでしょうか?
他人の行為が次のすべての条件を満たせば商標権侵害に該当する該当する可能性が高いといえます。
登録商標と同一又は類似する商標を商品(役務)について使用している  
商標権者の許諾を得ないで使用している  
商標の使用が出所識別機能を発揮する態様での使用である  

商標権侵害への救済手続

 商標権侵害行為に対しては、裁判所での民事手続による救済として、侵害行為等の差止めを求めること、損害賠償を請求すること、不当利得の返還を請求すること、信用回復のための措置等を求めることが可能で、これとは別に、刑事事件となれば裁判の結果、刑事罰の適用もあります。

 救済手段

当事者間で解決を図る  
裁判所以外による紛争解決を図る  
裁判所の手続を利用する  
刑事責任の追及を捜査機関に求める  
税関に対し輸入差止めを申立てる  
上記いずれの手段が最適化については、知的財産の専門家である弁理士に相談されることをお勧めします。  


民事上の請求権

 商標権者には以下のような権利があります。

差止請求
   商標権者及び専用使用権者は、侵害行為の差止請求(商品の流通停止など)や侵害組成物(商品など)の廃棄や製造設備などの除去といった必要な行為を請求できます。  
損害賠償請求
   侵害者に故意・過失があれば不法行為として損害賠償請求できます(民法709条)。損害や因果関係の立証は困難ですから、商標権者の能力を考慮しつつ、単位利益×譲渡個数を損害額と推定する規定(商標法38条1項)、侵害者利益額を損害額と推定する規定(同38条2項)、ライセンス料相当額を損害額と推定する規定(同38条3項)がおかれています。  
不当利得返還請求
   本来なら権利者が得るはずであった侵害された利益を不当利得として返還請求でき(民法703,704条)。これは、損害賠償請求権の時効が消滅(短期時効消滅3年,民法724条)したときに有効です(不当利得請求の時効消滅期間は10年,民法167条1項)。  
信用回復措置請求
   商標権者は損害賠償請求に代え、またはそれとともに、信用回復措置請求することができる場合があります(準用特許法106条)。具体的には、謝罪広告の掲載などがあります。
 

罰則

 商標権侵害者には、次のような刑事罰が科せられます。(商標法)

78条 (侵害の罪)
 は専用使用権を侵害した者(第37条又は第67条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行った者を除く。)は、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。  
78条の2 (同前)
 第37条又は第67条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行った者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。  
79条 (詐欺の行為の罪)
 詐欺の行為により商標登録、防護標章登録、商標権若しくは防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録、登録異議の申立てについての決定又は審決を受けた者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。  
80条 (虚偽表示の罪)
 第74条の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。  
82条 (両罰規定)
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
 一 第78条,第78条の2   3億円以下の罰金刑
 二 第79条又は第80条   1億円以下の罰金刑
 

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